第114回 ラテンアメリカ探訪 2013/11/25 ペルー音楽最前線 現代ペルー音楽を聴いてみよう 水口良樹 yokishi@river.dti.ne.jp 1:ペルー地勢と社会概観 三つの地域(沿岸砂漠/アンデス高地/アマゾン低地) 地域ごとの社会・文化的差異(三つの国の寄せ集め) ナショナルなイメージのつぎはぎ感とせめぎあい 格差社会。地方の空洞化と首都への一極集中 2:ペルー音楽のイメージ ・アンデス音楽 ※「フォルクローレ」という誤解 ・クリオーヤ音楽 ・アフロペルー音楽 ・チチャ(クンビア) 1977年〜 3:チチャ以降のペルー音楽の大きなキーワード ・ロック ペルーにおけるロック・エン・エスパニョール:ペルー的ロックの誕生 64年〜(Los Saicos) サイケデリック・ロック&ガレージロック/ハードロック/フュージョン・ロック 80年の民政移管まではメディアへの露出が規制されていた ・ジャズ サウスアメリカン・ジャズの一翼を担うアフロペルビアン・ジャズ 80年代〜(Peru Jazz) アフロペルビアン・ジャズとアンデアン・ジャズ ・クラブ・エレクトロニカ音楽 国内外の音楽家たちによる様々な発信 90年代?〜 ・ラテン音楽 サルサ、ソン、ボレロ、タンゴ、クンビアなどのラテン音楽の濃厚な影響 ・レゲトン/レゲエ 4:「フュージョン音楽」としてのペルー音楽 70年代まで 黎明期 ロックとジャズ、ラテン音楽との融合の深化 ・アメリカで花開いた歌姫イマ・スマックのエキゾチック・アンデス・マンボの世界 ・アンデス・フュージョン・ロックの萌芽1960年代末から活動を始めたエル・ポレン 80年代 アンデス・アマゾン地域でのテロの台頭→リマへ迫る内戦状態へ 経済の破綻とハイパーインフレ :難民とインフォーマル・セクターの急増:社会ストレスの急上昇 →保護政策の撤廃により失速する「国民音楽」と氾濫する「外来音楽」 →新たな「我々の音楽」の模索(代表:チチャの氾濫) 90年代 フジモリ政権成立と強権政治によるテロの沈静化と経済の正常化 ・アマゾン発の新たなクンビア旋風:テクノクンビア ・「フォルクローレ」とは異なるベクトルの進化を模索するアンデス音楽 ・あらたなクリオーヤ音楽とサウスアメリカン・ジャズを牽引するアフロペルビアン・ジャズ 2000年代 ・クンビアが完全に「国民音楽」として定着?する ・より多様化していくアンデス音楽 ・クリオーヤ音楽のエレクトロニカ的発展(クラブ音楽化) ・バリオの古きよき音楽の再評価 ・ポップス化するクリオーヤ音楽 |