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■これまでの勉強会

第195回 (2024/2月)「初めてのメキシコ:壁画運動を中心に」
・発題者=村田真 (美術ジャーナリスト、画家、BankARTスクール校長)

年末に初めてメキシコを旅行し、古代遺跡や20世紀の壁画などを見てきました。特にオロスコ、リベラ、シケイロスらの壁画は、現在パブリックアートの本の編集に携わる者としてとても興味深いものでした。ほかにも、テオティワカンやチチェンイツァの遺跡、過剰な装飾のウルトラバロック教会なども初心者の目で紹介したいと思います。


第194回 (2024/1月)「ベネズエラマラカス奏者が旅した国の変化と文化」
・発題者=牧野 翔 (ベネズエラマラカス奏者)

アジア最高のベネズエラマラカス奏者が2023年に現地で感じた、ベネズエラの魅力を深く掘り下げます。彼の目を通して、カラカスの街がどのように変貌を遂げたか、そして地方の伝統がいかに現代に息づいているかを見ていきましょう。生々しい通貨切替の現場、技術革新の波、そして人々が大切にする文化的実践。単なるトークではなく、マラカスのリズムに乗せてお伝えすることで、2023年のベネズエラへの情熱的な旅へと皆さんをお連れします。


第193回 (2023/12月)「1980年憲法から「社会の暴発」へ、そして「社会の暴発」から新憲法へ?近年のチリの変動について考える」
・発題者=三浦航太(アジア経済研究所)

不安定なイメージが付きまとうラテンアメリカにおいて、チリは比較的安定した優等生とみなされてきました。しかし、チリでは2019年に同国史上最大級の市民の抗議行動「社会の暴発」が発生し、近年変動が続いています。まずは、なぜこの抗議行動の発生に至ったのか、軍政下での1980年憲法の制定を出発点に、1990年の民主化後の政治と新自由主義、2010年代の学生運動の活発化という流れで考えてみます。「社会の暴発」は、1980年憲法にかわる市民主導の新憲法制定の動きに繋がりました。しかし、その新憲法案は2022年の国民投票で否決され、その後1年をかけ、政治主導で再び新憲法案が作られてきました。今回の発表のまさに前日(!)12月17日に、国民投票が行われ、その新憲法案の可否が問われます。最新情報として国民投票の結果についてお伝えしつつ、2019年以来の2度にわたる新憲法制定の試みについて考えたいと思います。全体を通して、一連のチリ変革の試みとは何だったのか、どこからきて、どこへ向かうのかについて議論できればと思います。


第192回 (2023/11月)「緊迫するグアテマラ情勢 アレバロ政権の樹立に向けて」
・発題者=狐崎知己

中米グアテマラは1980年代に米国の支援を受けた軍事独裁政権が自国の先住民及びゲリラを20万人虐殺したことで知られる国でもあり、今なお国家の根幹にその問題とどう向かい合うかということが問い続けられている国でもある。しかし、民主化以降においても、腐敗した富裕層による国家の私有化は変化せず、かつて軍事政権を担った将軍たちが順繰りに大統領に就任するような状況が続いていた。そんな中2015年には市民社会がこうした状況に対してNOを突きつける大きな抗議運動が起こったが、それにもかかわらず状況を大きく変えることは出来なかった。 ところが、2023年の大統領選において、それまで注目もされていなかった泡沫候補アレバロが大統領に大差で選出されるということが起こった。これ自体が歴史的な変化であったが、ところがこれに対して、検察や裁判所などがこの大統領就任を阻止するためのあからさまな動きをはじめ、先住民たちがそれに対して新大統領を支持する抗議運動を展開するという状況が続いている。こうした状況はどのような状況から生まれてきたのかを狐崎知己さんによって縦横無尽に語って頂きました。ぜひごらん下さい。
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第191回 (2023/10月)「日本未公開のカリブ映画の日本語制作〜上映会をやってみた!」
・発題者=ミヤ・テキーラ(カリバフリカオーガナイザー)

感染者数ばかりが繰り返され「ソーシャルディスタンス」「自粛」の名の下、大人しく過ごすことにも疲れてきた2021年夏。ナイトライフも大きく様変わりし、カリブ、アフリカ音楽を中心とした我が音楽イベントCARIBAFRICA(カリバフリカ)も現状にそぐわないような感覚も拭いきれないまま継続する難しさを感じていた。モヤモヤする日々が続く中、せめて自分が好きな音楽の過去を再確認する時間にしようと書籍や映画などを見返すとまだ日本では知られていない音楽ドキュメンタリー作品があったことに気付く。音楽の向こう側にいる人や生活を垣間見ることで、音楽はより輝きを増しリアルに響いた。そこでふと、日本語訳の映画なら、みんなとのんびり観て、騒ぎすぎることなく楽しめるかも?と言う思いがよぎる。上映会の温度感、距離感が今にフィットしていると感じたし、何より私が観たかった。そして時間のある今しかないのではないかと言う考えが何ヶ月も頭から離れなかった。うーん。借りられるとも限らないし、まずは連絡をしてみて、ダメならやめればいいじゃない!そうして日本で公開されていないカリブ作品に日本語訳をつけ、上映会をやってみようと言うコネなし、財力なし、あるのはやる気だけと言う無謀な企画がひっそりと始まる。その名は「カリバフリカ フィルム & ミュージック コレクション」手探りの制作から上映会開催までをまとめて一気に振り返ってお話し致します!
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第190回 (2023/9月)「ラテンアメリカ、障害者の自立生活運動から社会改革へ」
・発題者=井上武史(メインストリーム協会)

職場である兵庫県西宮市にある自立生活センター、メインストリーム協会は2012年よりコスタリカのペレスセレドンという町で、現地の障害当事者とともに日本にあるような障害者自身が運営する自立生活センターを設立するプロジェクトを開始しました。紆余曲折の末、プロジェクトでは障害者への介助派遣サービスを可能にする法律を制定することに成功しました。現在、国連の障害者権利条約の定める同サービスを実施しているラテンアメリカの唯一の国です。 これを今、コスタリカ以外のラテンアメリカの国々に広げようとしており、ラテンアメリカ発のフェミニストの運動のように、ここを起点にして全世界に広がる運動にすべく奮闘中です。この現在進行中の障害者運動の様子をご紹介します。
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第189回 (2023/7月)「革命から40年 そういえば、ニカラグアって最近どうなってるの?」
・発題者=柴田大輔(フォトジャーナリスト)

1979年7月、当時の独裁政権から自由を勝ち取ろうと、中米ニカラグアで革命がおきました。誰もが幸せに暮らせる社会を作りたい。そんな願いのものと立ち上がった人たちへの支援の輪は世界中に広がり、多くの人が、新しい未来へ一歩を踏み出す小さな国へと足を運びました。しかし、この国ではいま、かつて「革命の英雄」と呼ばれた人物による独裁が進みます。国民の不満は充満し、反政府運動は激しい弾圧を受け、多くの死者と負傷者を出しました。かつては、日本でも大きく取り上げられた革命。そのニカラグアで何が起きているのでしょうか。2018年から2021年にかけて5回現地に足を運び、人々の間を旅しました。そこで見た現地の様子を報告します。
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第188回 (2023/6月)「三浦一壮、吉田悠樹彦が語るラテンアメリカ舞踊の現在・過去・未来」
・発題者=三浦一壮(舞踏家)、吉田悠樹彦(舞踊評論家)

現代舞踏家の三浦一壮氏が舞踊評論家の吉田悠樹彦氏とともに、今までの半生、ラテンアメリカの前衛舞踊について、またペルーの舞踊事情も語ります。ペルーの演劇界の様子や、ユージェニオ・バルバなど様々な人との交流、自身の演劇観や舞踊観、アヤクーチョで開催されたラテンアメリカ・ワークショップ・フェスティバルなどの様子も聞くことができる予定です。また後半では、踊りも披露してくださいます。ご期待ください。
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第187回 (2023/5月)「キューバのインフラ事情 IT関係を中心に」
・発題者=Noah (キューバWebメディア『CUBA-MANIA』運営者)

キューバはモノがない、自由がないとよく言われる。電力、交通、水など公共インフラは今どうなっているのか? 困難なインフラ事情の中、人々はいかに生活しているかについて、キューバWebメディア『CUBA-MANIA』運営者のノア氏が解説する。特にキューバのIT事情について詳述し、モノがない、インフラが整備されてない社会での人々の行動、物質主義でない生活の喜びについても語る。
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第186回 (2023/4月)「スペイン語圏に学ぶ家父長制批判のABC:搾取から女性解放論を考える」
第2回「スペイン:反資本主義と階級」
・発題者=エビハラヒロコ(イベリア書店事務員)

スペイン語圏のフェミズムに出会ったとき、最も私の関心を引いたのは議論の中心に「搾取」の問題があることだった。 そこでは、家父長制とは社会の中に張り巡らされた搾取のシステム全体を指し、家父長制の共犯者として国家が名指しで批判される。そして、女性の身体の主権に対する最も強力な国家権力の介入であることから、中絶の権利が重要な争点となっていたのだ。『キャリバンと魔女』の著者シルヴィア・フェデリーチの言葉である「女性の身体は資本主義の最前線である」を踏まえて、中絶合法化を目指す女性解放運動に関連するスピーチとテキストを取り上げ、そのボキャブラリーとロジックが日本語の家父長制批判に応用できるか検討してみたい。
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第185回 (2023/3月)「スペイン語圏に学ぶ家父長制批判のABC:搾取から女性解放論を考える」
第1回「アルゼンチン:反植民地主義と身体」
・発題者=エビハラヒロコ(イベリア書店事務員)

スペイン語圏のフェミズムに出会ったとき、最も私の関心を引いたのは議論の中心に「搾取」の問題があることだった。そこでは、家父長制とは社会の中に張り巡らされた搾取のシステム全体を指し、家父長制の共犯者として国家が名指しで批判される。そして、女性の身体の主権に対する最も強力な国家権力の介入であることから、中絶の権利が重要な争点となっていたのだ。『キャリバンと魔女』の著者シルヴィア・フェデリーチの言葉である「女性の身体は資本主義の最前線である」を踏まえて、中絶合法化を目指す女性解放運動に関連するスピーチとテキストを取り上げ、そのボキャブラリーとロジックが日本語の家父長制批判に応用できるか検討してみたい。
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第184回 (2023/2月)「アンデスのコカ、パンパのマテ 南米原産の嗜好品から広がる世界」
・発題者=井垣昌

南米原産のコカとマテの葉は、それぞれアンデス地方とパンパ地方の先住民により嗜まれてきましたが、互いに似て非なる歴史を歩んできました。コカの葉は、アンデス地方の信仰、医療、社会的紐帯や伝統行事の必需品とされています。また欧米では、「強壮薬の王、王の強壮薬」、万人の万能薬を象徴するものとして大流行した背景があります。マテの葉は、パンパ地方の伝統的なお茶として親しまれています。イエズス会やガウチョが普及に関わった歴史があり、日本では、「太陽のマテ茶」により飲むサラダとして認知度が高まりました。今回は、これら2つの嗜好品の現地での素顔に触れるとともに、欧米や日本との関わりについても見ていきます。
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第183回 (2021/1月)「長編ドキュメンタリー映画「12月にハバナで会おう」を上映します」
・発題者=山本学(「12月にハバナで会おう」監督)

オンライン映画祭 "合同映画祭ビヨンド4 "で作品賞を取った「12月にハバナで会おう」を上映します。日本とキューバで撮影したロードムービーで、2020年の作品です。様々なキューバ好き日本人が、個性的なやり方でそれぞれの人生を語るという内容で、特にキューバ人のアニメオタクとの交歓シーンは必見です。キューバロケも敢行しました。90分です。当日は監督の山本学氏がいらっしゃり、挨拶と質疑応答もあります。なお、noteでの配信は、今回のみ、山本監督の挨拶と質疑応答のみとなります。


第182回 (2020/12月)「サンバ・カーニバルを構成する一隊、障がい者とその介助者グループから見たカーニバル」
・発題者=Isao Kato(音楽家[ドラマー・パーカッショニスト])

2020年の2月の最終週に、ブラジルのサンバ・カーニバル・パレードが行われた。ブラジル国外でもその名前に存在感を持つリオのカーニバルを筆頭にブラジル国内では20を超える地域でサンバ・カーニバル・パレードが行われている。 南米一の大都市、サンパウロにもリオと同クラスのサンバ会場「サンボードロモ」があり、毎年4日間開催されるカーニバル・パレードでは1,2日目にサンパウロ、3,4日目にリオのカーニバルを全世界に向けて生放送をしている。 今回はサンパウロのトップリーグのサンバチーム「ホーザス・ジ・オウロ」内の障がい者とその介助者で構成されたグループ「アーラ・ソシアゥ」という組織と、アーラ・ソシアゥ視点で見たサンバカーニバル・パレードを紹介したい。 登壇者はプロ活動をするドラマー・パーカッショニストであり、文化/研究活動の為にブラジルのエスコーラ・ジ・サンバの世界で実際の演者として参加しながらフィールド・ワークを2016年から行っている。また自身が「網膜色素変性症」という難病が原因の視野障害である事から、上記の「アーラ・ソシアゥ」にもその一員として参加した。障がい者のサンバ・カーニバル参加。そして、そのチームのオペレーションを通してサンバ・カーニバルの一側面を紹介致します。


第181回 (2020/11月)「コロナ危機を生き抜く メキシコ・中米貧困層の今」
・発題者=工藤律子(ジャーナリスト)

「マフィア国家 メキシコ麻薬戦争を生き抜く人々」「マラス 暴力に支配される少年たち」「居場所をなくした子供たち メキシコシティのストリートチルドレン」等々、多数の著書があるジャーナリストの工藤律子さんが、中米からの子ども移民やストリートチルドレン、彼らを取り巻く人々の今を通して、コロナ危機が庶民にもたらしている問題とその背景、築かれるべき未来を語ります。


第180回 (2020/10月)「プエルトリコ野球の歴史と現状」
・コキート(カリブ野球愛好家)

米国であって米国でない「国」、プエルトリコ。プエルトリコの野球の歴史と現状を映像を交えながら解説する。また往年の名選手、現在活躍中の選手なども詳述。ラテンアメリカの文化のみならず、野球ファン、メジャーリーグに興味のある方も、楽しめる内容です。


第179回 (2020/9月)「ラテンバー「ラス・リサス」の15年」
・発題者=松嶋武(まつし/「ラス・リサス」オーナー)

銀座のラテンバー「ラス・リサス」のオーナー、まつしさんが、ラス・リサスでの15年間を振り返る。創業を決意してから今までの経験と苦労、ラス・リサスでの経営で学んだこと、サルサを踊る人たちとのかかわりなどを語る。ラテンバー、サルサクラブの経営に興味のある方や、サルサを踊ってみたい方にも必見です。


第178回 (2020/7月)「中南米マガジン」の23年間をふりかえって」
・発題者=金安顕一(中南米マガジン発行人)

1997年創刊の「中南米マガジン」ですが、なぜ、雑誌を創刊することになったのか? どういう雑誌を作ろうと思ったのか?流通はどうしたのか?23年間の出会い、楽しかったことなどを、ふり返ります。4月に開催予定だった講座です。定員制限のため、参加できなかった方のために、後日、何らかの形で映像配信の予定です。
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第177回 (2020/2月)「南米に舞踏をもたらす!:三浦一壮の舞台芸術交流」
・三浦一壮(舞踏家)

戦後の日本で大野一雄や土方巽らが生み出した『舞踏』。その舞踏を三浦一壮は1978年に南米へもたらした。そもそも舞踏は戦後日本のアンダーグランドから生まれた。肉体表現やジャンルを横断する発想は国境を越え世界中の美術や音楽、思想にも大きな影響を与えた。社会的弱者やインクルーシブとも接点が深い(「俳優の解剖学」が邦訳されている南米演劇を代表するユージェニオ・バルバの紹介による)。 生と死、理想と現実が複雑に交差する南米で、舞踏は演劇や美術に衝撃を与えた。 植民地支配や社会的理不尽に苦しむ虐殺の悲劇の街・アヤクーチョの人々の心に火をつけ芸術に影響を与えた。そして40年近く時が流れた。しかし人々は三浦と舞踏を覚えていた。彼はSNS上でかつてのラテンアメリカ演劇界の教え子たちと再会を果たす。その結果、昨年ペルー・アヤクーチョのラテンアメリカ演劇祭から三浦は招聘され再訪することとなった。20カ国以上から参加があるこの大陸最大の演劇祭だ。彼の再訪は現地で歓迎され、再び舞踏のワークショップを行った。その軌跡をトーク形式で伺う。


第176回 (2020/1月)「インカ帝国領土拡大とケチュア族の移動:絣(かすり)と藍染めを追って」
・山本悦子(Sierra y Selva(アンデスとアマゾンの染織・工芸品))

私の先住民の染織を探す旅の基本、それは他部族制圧に送ったインカの「防人」のような集団が暮らした形跡の、点々と遺された「絣」の技でした。プレ・コロンビアの昔から土地や水や女性を巡って、争ったり統合したり交易したりの歴史は繰り返されてきたはずです。ボーダーレスの時代の先住部族の子孫たちの衣服や持ち物について(共通性にも)、あの村にはオリジナルがあるらしいと聞けば飛んで行ったという私なりの見聞録ですが、今から思うと1980年代、長いテロの時代の前のタイミングで記録できて本当にラッキーでした。世界の染織史の中でも、とりわけ華麗でユニークな染織技法を誇ったアンデス文明。しかし16世紀のスペイン軍侵攻を境としかつての豊かな染織文化は衰退していきました。 インカ帝国と呼ばれる所以、クスコで誕生したケチュア族の王国は最盛期には80の民族と1,600万の人口をかかえ、ペルー・ボリビア・エクアドルの大部分、現在のチリ北部から中部、アルゼンチン北西部、コロンビア南部にまで広がっていたことが遺跡および遺留品から判明しています(Wikipedia参考)。私の古代アンデス染織文化への興味は、図書館で出会った一冊のPERU「天野博物館」図録から始まりました。当時、北欧の高機織りを習っていてある程度の知識はあったものの、この「アート」はなんだと衝撃を受け、それが実にプリミティブな手法でしか表現できない事に気づき、ペルーの天野博物館の天野芳太郎館長に会いたいという一心でお金を貯めスペイン語も習ってバックパック背負ってひとり出かけたのが、1980年の夏でした。私の旅は2020年で40年目となります。偶然お世話になった日系ファミリーの紹介はあったものの一人のバックパッカーにすぎない私を、故天野芳太郎先生はいつでも研究室に来て引き出しを開けて染織品を見ていいと許可してくださり、奥様の美代子さんには当時のボリビア織物コレクションを見せていただき、天野先生には何でも質問する前にまず目の前の「織物に聞きなさい」と教えられ、さらに疑問があったら現地を旅して自分の眼で確かめる事が大切とアドバイスをいただきました。1980年、ペルーで日本人の生涯の親友ができました。その親友とアマゾン源流地帯の奥地に入ったのは関野吉晴さんに次ぐと言われ、外国人がまだ来なかった地で先住民の泥染め・藍染め体験もできました。この度はボリビアやエクアドルに拡散したインカの「絣」の技を探す旅を中心に、現在も通い続けているコロンビアの先住民の手仕事紹介を含め、アンデスの染織と伝承のスライドトークをさせていただきたく思います。


第175回 (2019/12月)「レゲトンの歴史:黎明期から今まで」
・Takeuchi507 (Reggae Retro en Panama, Seduction Tropicale)

各地に埋れた音楽の不思議を発掘する自称音楽ミステリーハンター。スパニッシュレゲエの謎を紐解くディスクガイド"Reggae Retro en Panama"を制作。そのルーツを探しに訪れたパナマで憧れのミュージシャンに会ったりラジオに出演したりといい思いをしたのに味をしめ、プエルトリコ、マイアミ、コロンビア、メキシコ、キューバetcの旅へ。現地でDJ・レコード探し、ライブ鑑賞三昧。 パンクから始めたDJ活動は二十数年。レギュラーイベントに頭バーSeduction Tropicaleなど。DJ以外にも東京大学でレゲトン史の講義を行った他、たまに執筆活動なども。


第174回 (2019/11月)「河上鈴子とスペイン舞踊・フラメンコの黎明期」
・吉田悠樹彦(舞踊批評家)

日本にスペイン舞踊をもたらしたのは上海でバレエを学びフィリピンでスペイン舞踊を志した河上鈴子である。その上海、東京、欧米での活躍を中心としながら日本へのスペイン舞踊・フラメンコの始まりを振り返る。まだまだ知られていない事も多い近代のアジアとスペイン語圏について考える。


第173回 (2019/10月)「禁じられたコンドルの祭り ヤワル・フィエスタの禁止にみる現代アンデスの祭り」
・岡本年正(慶應義塾大学非常勤講師)

南部ペルーのアンデス山中では、祝祭での催し物として、コンドルと雄牛が登場するヤワル・フィエスタ(血の祭りの意。コンドル・ラチとも呼ばれる)が行われていました。ところが近年、政府による野生動物保護の徹底により、2014年の開催を最後に、ヤワル・フィエスタは厳格に禁止されることになりました。ヤワル・フィエスタが禁止されチエル状況を具体的に紹介しつつ、そこから見えてくるアンデスの信仰や人々の関係性などについてお話します。


第172回 (2019/9月)「メキシコ先住民の村ってどんなとこ? チアパスの農村に暮らして」
・和田佳浦(ラテンアメリカ探訪発起人)

 メキシコで最も貧しい州であるチアパス。その中でも厳しい生活を送るといわれる先住民族の人々の暮らしの一端を紹介します。  発表者は大学3年のスペイン留学時、新聞記事で1994年に蜂起したサパティスタ民族解放軍(EZLN)のことを知り、チアパスや先住民族に関心を持ち始めました。卒業後、メキシコ・シティやケレタロ州に住み、チアパスを訪ねたこともありましたが、サパティスタが武装蜂起する理由となった「貧困」や「搾取」とは具体的にはどういうことなのか、「先住民」とはどういう人々なのか、町に住んだり、村を外部者として訪ねたりするだけでは納得する理解を得られませんでした。  その後、2010年からチアパスに3年間滞在する機会を得て、マヤ系トホラバル民族の農村で村の家族と生活をともにしました。現在まで、村の人々との交流を続けています。発表では、トホラバル民族について紹介し、滞在を振り返りながら、村の生活、そして人々の今についてお話しします。


第171回 (2019/7月)「日本とタンゴ」
・田口史人(高円寺円盤店主)

世界的なレベルに達しながら現場を失ってしまった悲劇の日本タンゴ。その人々と音楽の栄枯盛衰、情熱と誇り、意地と事情の悲喜こもごも。そしてアルゼンチン、ヨーロッパのタンゴ者たちと日本の濃密な交流をレコードで追う。


第170回 (2019/6月)「ペルーの「いま」について考える〜 一作家を通じて見える現代の実像〜」
・後藤雄介(早稲田大学教員)

南米のペルーは、マチピチュに代表されるインカ帝国時代の遺跡に対する観光的関心の高さもあって、ラテンアメリカ諸国のなかでは比較的注目度の高い国だと言えるでしょう。世界初の日系人大統領の誕生(1990年)や、その政権の終盤に起こった日本大使公邸占拠事件(1996-97年)も、ペルーの認知度をさらに深めたかもしれません。しかし、私たちはペルーの「いま」について、どれくらい理解しているでしょうか。ラテンアメリカ諸国のご多分に漏れず、スペインによる植民地支配の歴史を持つペルー社会は、現代もなお複雑で混沌とした様相を呈しています。 ペルーの作家と言えば、2010年にノーベル文学賞を受賞したマリオ・バルガス=ジョサがつとに有名ですが、ここではバルガス=ジョサよりはるかに「ペルーを体現する」存在として国内では認知されている、ホセ・マリーア・アルゲーダス(1911-69年)という人物を取り上げ、彼のたどった足跡から現代ペルーの抱える問題を考えてみたいと思います。


第169回 (2019/5月)「岡村淳監督のトークと共に見る映画『ブラジルのハラボジ』」
・発題者=岡村淳(映画監督)

ブラジルのサンパウロに暮らす記録映像作家の岡村淳です。この度「ラテンアメリカ探訪」を探訪させていただくことになりました。上映作品に『ブラジルのハラボジ』を選んでもらい、うれしい驚きを感じています。この作品は、動きも場面の転換も乏しく、地味を極めています。23年前にサンパウロで縁あって一期一会のインタビューをした「三田ハラボジ」と呼ばれる老人は、ブラジルの朝鮮人移民のパイオニアだったのです。当時、日本のテレビで映像を発表していた私には決して「売れる」映像とは思えず、お蔵入りにしていました。今や自宅でも動画の編集や字幕付けが可能な時代となり、撮影素材の劣化を心配して発掘した映像を、2年前に編集してハラボジの全発言に日本語字幕を加えました。大韓帝国時代に生まれて、日本の植民地時代に日本内地に出稼ぎに訪れて第2次大戦前にブラジルに渡ったハラボジが言葉少なに語る歩みと思想に、私は何度も絶句しています。日本人に期待されるラテンアメリカ像、ブラジル日本人移民像、そして韓国をめぐる言説に飽き足らない方々とこのハラボジの遺言を共有できれば幸甚です。

◆上映作品◆
イントロダクション『岡村淳自主制作作品紹介』(18分)
ドキュメンタリー映画『ブラジルのハラボジ』(53分) 1996年 撮影、2017年 編集
製作、構成、撮影、編集、語り:岡村淳


第168回 (2019/4月)「コロンビア 「和平」後も続く暴力」
・柴田大輔(フォト・ジャーナリスト)

2016年、南米コロンビアでは反政府ゲリラ・コロンビア革命軍(FARC)と政府の間で和平合意が結ばれ、52年におよんだ両者による武力紛争が終わりを迎えました。しかし、FARCが抜け空白地帯となった場所では、麻薬の利権を巡り複数の武装組織が対立を続けています。その中には、和平合意に応じなかった元FARC戦闘員による組織も、複数あります。2016年から2018年にかけて3度の取材を中心に、紛争の現場となっている地域の現状と背景を報告します。


第167回 (2019/3月)「ブラジルに響くサンバ:打楽器奏者の目線からの2019年のカルナヴァウ」
・加藤勲(音楽家、サンバチーム JAPA Bloco打楽器隊総責任者)

2019年のカルナヴァウに打楽器奏者として参加した経験を基に、映像写真を交えて今年の様子を打楽器奏者目線でお話しします。サンパウロ(Sao Paulo)、リオ デ ジャネイロ(Rio de Janeiro 以下リオ)には、エスコーラ ヂ サンバ(Escola de Samba 以下エスコーラ)が存在します。そこでサンボードロモ(Sambodorome)と呼ばれるサンバ(Samba)がどのように準備されてカルナヴァウのヂィスフィーリ(Desfile:パレード)が出来上がるのか。またCDの音源は、どの様に録音され世に出されるのか。バテリーア(Bateria:打楽器隊)の内側からならではのエピソードをお楽しみいただけたらと考えております。 2016年にブラジルのエスコーラのバテリーアの一員として参加してから4年目。この間の変遷も辿ります。


第166回 (2019/2月)「コスタリカの矛盾 〜「環境立国」で取り残された人々〜」
・日高夏希(東京大学大学院/青年海外協力隊OV)

憲法で常備軍を廃止したことで知られるコスタリカ共和国は、生物多様性を活かしたエコツーリズムや再生可能エネルギーへの移行など、先進的な環境政策においても国際的地位を築いてきた。しかし国内には、輸出向け作物のプランテーションによる水源汚染のような「環境立国」にそぐわない課題も存在し、市民のアグリビジネスへの抗議運動が拡大しつつある。 コスタリカ国家が「生物多様性」と「モノカルチャー」という矛盾した二者を同時に推進している現象、またそれに対峙するコスタリカ市民の運動について、発表者の現地調査と修士論文での考察をもとに紹介する。


第165回 (2019/1月)「内的な亡命者と詩人――ビクトル・エリセの映画『エル・スール』(1983)が表していること」
・三宅隆司(立教大学大学院映像身体学専攻)

『ミツバチのささやき』(1973)で名高いスペインの映画監督ビクトル・エリセは、1939年のスペイン内戦終結間もない、1940年の生まれである。スペイン内戦(1936-1939)は、民主的国家の樹立を目指す共和派と、それに対して軍事蜂起した反乱軍とで争われた戦いであり、結果的に反乱軍の勝利で終わった。勝利した反乱軍は、民主的とはまったく正反対の独裁国家を樹立し、国全体を厳しい統制化においた。そのため、内戦中に争った相手であった元共和派の人々は戦後激しい弾圧にあい、とりわけ内戦終結直後の1940年代にその凄惨さは極められた。エリセはそんな1940年代のスペインにおいて幼少期を過ごしたのであるが、そうした社会の状況の中で、彼は「内的な亡命者」の存在を感じ取っていたという。内戦後の独裁国家による弾圧は、多くの元共和派の人々の処刑、また亡命を引き起こした。しかしさまざまな理由から国外へ出ることができず、命の危険を絶えず感じながら国内にとどまった元共和派の人々もいた。当時は国から密告が推奨されてもいたため、こうした国内にとどまった元共和派の人々は、自分の考えを表すどころかただ存在しているだけでも、周囲との間に深刻な違和を感じずにはいられなかった。エリセが語るところでいえば、「自分自身から亡命しなければいけなかった(…)根本的な亡命状態」に、彼らは追い詰められていたのだ。このように、内戦後のスペイン国内において独特な亡命状態にあった元共和派の人々、それが「内的な亡命者」である。この「内的な亡命者」が、どれほどの絶望の淵にあったかは想像に難くない。そして幼少期のエリセは、そんな漆黒の絶望を日々感じ取り続けていたのである。エリセは、その映画作品における洗練されたスペイン内戦に関する表現が高く称賛されてきた映画監督であるが、その創作の源泉にあるのは、彼が幼少期に感じ取っていたこの「内的な亡命者」の絶望が救い出される、その方途の探求であったと考えられる。今回は彼の第2作である『エル・スール』(1983)を取り上げ、撮影されず脚本のみが残っているこの映画の第2部も含めた作品分析、またエリセが20代の頃より継続している批評活動における思索(その中に表題にある「詩人」が出てくる)を通じて、エリセのその探求が行き着いた先を考えてみたい。これは、遠い外地の過去の遺物についての考察ではない。科学技術の発達や新たな社会規範の設立などが、人に周囲の世界に対する不信をますます高めさせ続けている現代において、「内的な亡命者」が抱えている亡命状態というのは、私たちに対して強い切実さをもっているに違いない。まさにエリセは、この「内的な亡命者」という問題を、「ぼくたちの時代の大きなテーマ」としても語っているのである。


第164回 (2018/12月)「キューバのサンテリーア」
・工藤多香子(慶応大学准教授)

長い間キューバといえば「革命」「カリブの楽園」といった側面が強調されてきたけれど、「アフリカ系文化」は知られざる魅力だ。様々な変化に放浪されながら生き永らえたアフリカ系キューバ人のルーツであるサンテリーア(民間信仰)について慶應大学准教授の工藤多香子氏が解説する。


第163回 (2018/11月)「Viva el Maguey 〜すばらしき植物:マゲイの世界〜」
・大友真希(染織文化研究家)

メキシコを原産国の中心とする植物マゲイ(Maguey)は、アメリカ合衆国南西部からヴェネズエラ北部の乾燥地帯において自生または栽培されています。テキーラやメスカル、シロップなどの原料として近代以降はメキシコの産業を支える重要な農作物のひとつである一方、古代から紙や布、衣服などの繊維原料にも用いられてきました。マゲイは衣食住、生業だけでなく信仰とも密接な関係がありました。メキシコにおいてマゲイは最も長い歴史を持つ有用植物であり、独自の「マゲイ文化」がつくられてきたのです。「メキシコのシンボル」とも言えるマゲイの世界をたくさんの写真とともにたっぷりとご紹介いたします。


第162回 (2018/10月)「ペルーアマゾンの薬用植物利用」
・戸田美紀(筑波大学大学院)

薬用植物の宝庫と言われるペルーアマゾン。利用品種は4000種とも言われ、世界でも最も多様な植物を活用していると考えられています。都市部の都市化は加速され、遠隔の集落にもスマートフォンが普及している現在のペルーアマゾンの、薬用植物の利用についてお話いたします。薬用植物の都市部のショップ、滞在型治療施設、保護地域、遠隔地の活用、採取現場など、観光、ボランティア、研究調査で滞在した時の様々な写真を通して、ご紹介します。 6年ほどかけて中部ペルーアマゾンの集落で、薬用植物と現代医療の利用についての調査しておりました。その研究報告も一部ご紹介します。


第161回 (2018/9月)「メキシコの北川民次と彼の戦後(藤田嗣治と比較して)」
・安藤二葉(版画)

北川民次は戦前に渡米し、ニューヨークで働きながら美術を学び、当時の社会主義思想に啓発されていった。その後ハバナからメキシコへ行き、シケイロスやリベロの民衆の姿をテーマとして社会派の壁画運動に共感を覚え、メキシコ・シティ郊外のチュルブスコの野外美術学校で、子供たちに絵を教えるようになっていった。この時のメキシコの児童画を集めた展覧会が注目を集め、欧州各地を回り、パブロ・ピカソが称賛することに。また藤田嗣治とも同時期に出会っている。1936年、北川は軍国主義が強くなる中日本に帰国した。藤田嗣治からの誘いを受けて戦争画制作にも手を染めるが、やはり馴染めず、悩みつつ疎開した瀬戸市で女学校の図画の教師となる。戦後当初はまだ無名だったが、精力的に美術製作活動を行うと共に、児童美術教育の普及と研究に貢献する。そうして次第にメキシコの光景や農民の姿、母子像を描いた作品により、メキシコ派画家として注目されて行く。一方、戦前、パリで妖しい女性美を描き出し、大成功を収めた藤田嗣治はメキシコで北川民治と出会い、その後日本で北川民治を応援する。しかし自身が戦争中、積極的に軍部に協力し多くの戦争画を描いたことで、戦後は批判を浴び、日本を離れ、米国へ、そしてフランスへ戻り、パブロ・ピカソに暖かく迎えられた。日本に帰ることなく、カトリック信者となりレオナルド・フジタと名乗り、子供たちの絵を描きつづけた。戦前に日本から飛び出し、才能を開花させた北川民治と藤田嗣治、二人の対照的な生き方と画風、そしてメキシコでの二人の出会いと、帰国後の二人の生き方を対比して、日本社会での洋画の社会的立ち位置と云うものも考えてみたい。


第160回 (2018/6月) 「ラテンアメリカ探訪アート展「Nosotros2」記念出品作家トークショー」
・安藤二葉(版画),イイヅカ・サトコ(石版画),白根全(写真),すずきさち(写真)
 西村FELIZ(人形),土方美雄(インスタレーション)、松川暖子(油彩)

2004年にラテンアメリカ探訪(旧メキシコ学勉強会)が発足し、毎月開催している勉強会も昨年の6月で150回を迎えることになりました。それを記念して開催されたNOSOTROS展ですが、好評につき本年も開催させていただく運びとなりました。この度も出品作家の皆様をお招きしてトークショーを開催いたします。分野の異なる各作家の本展及び作品にかける想いを清聴いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。


第159回 (2018/5月) 「メキシコ民衆音楽ソンハローチョ:ベラクルス州から広がるコミュニティ音楽」
・増田耕平(東京大学大学院工学系研究科)

ソンハローチョ は、メキシコのベラクルス州を中心に演奏される伝統音楽です。スペイン人の到着以来、先住民・スペイン人・アフリカ人の文化が混ざり合って形成されたこのカリブ音楽は、現在では、農村部における伝承と都市部における革新という二つの側面を持っています。音楽家の招聘やドキュメンタリー制作の経験を踏まえ、歴史や曲紹介を通して、ソンハローチョ の現在と未来について理解を深めます。ソンハローチョ を全く知らない方の参加も大歓迎です。


第158回 (2018/4月) 「古代メキシコ中央高原における環境変動と国家誕生」
・福原弘識(埼玉大学ほか非常勤講師)

メキシコ中央高原では3世紀に初期国家テオティワカンが誕生する。国家誕生は社会の成熟を下地とした通過点というより、この時期に頻発した自然災害を契機に混乱した人々を鎮める統合と安寧の帰結であった。本発表では2017年度春夏の調査を紹介し、かつてのメキシコ中央高原で頻発した火山噴火とそれに伴う環境変動、人口移動を実証的に検証し、被災と復興という当該地域住民に共通した記憶とその再生産が国家誕生と繁栄の原動力の一つであったことを考えたい。


第157回 (2018/3月) 「ブラジルのアマゾン 人と生活」
・南研子 (熱帯森林保護団体代表)

3月のラテンアメリカ探訪では、長年ブラジルのアマゾンに通い続け、現地の先住民の生活に寄り添いながら、彼らの人権保護や彼らを取り巻く自然環境の保護のために精力的に活動してこられた南研子さんのお話を伺います。現地に深く入り、そこに生きる人々の世界観までしっかりと踏まえた上で、何が出来るのかということを長年考えてこられたその活動を記された「アマゾン、インディオからの伝言」や、「アマゾン、森の精霊からの声」などの著作も、非常に多くの学びを与えてくれます。ぜひ、たくさんのご参加をお待ちしております。


第156回 (2018/2月) 「移行期正義と先住民:ペルーにおける紛争及び平和構築と先住民」
・細谷広美 (成蹊大学)

インカ帝国の中心が位置していた南米ペルーでは、1980年から2000年に起こった紛争で、約7万人の人々が犠牲になったと推計されています。このうち75%が先住民の犠牲者でした。しかしながら、先住民の大規模な犠牲は、2003年に真実和解委員会による報告書が提出されるまで、ペルー国内でもほとんど知られていませんでした。現在も4600以上の秘密墓地が未調査で、18000人以上の行方不明者がいるとされています。この紛争は日本とも無縁ではなく、1992年にJICAの農業技師の方3名が反政府組織により殺害され、また1996年〜1997年には別の反政府組織による日本大使公邸占拠事件がおこっています。そして近年は麻薬産業が新たな火種となりつつあります。アンデスの先住民の人々が、紛争及び平和構築の過程でどのような経験をしてきているのか、先住民出身の民俗芸術家の作品、音楽などもとりあげながらお話していきます。


第155回 (2017/12月) 「チャランゴ:作り手が語る民族楽器の世界」
・貝谷吉浩 (チャランゴ制作家)

ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチンで広く演奏されている小型複弦楽器チャランゴ。それは、アンデスの農村地方から各地の都市部まで、さまざまな民族、社会階層、地域、そして世代の人々が愛し演奏し続けている楽器だ。今発表では、長年日本でチャランゴを制作し続けている立場から、多様なチャランゴ世界を、その制作過程や進化の過程、何にこだわって作られているのかなど、さまざまな視点からご紹介できればと思います。また、日本ではほとんど見ることができない製作途中のチャランゴなども実際に見ていただき、チャランゴの製作工程なども具体的に紹介できればと思います。


第154回 (2017/11月) 「アマゾンの泥染めとシピボ族の暮らし」
・馬場 綾(アマゾン屋)

ペルーアマゾンの先住民シピボ族は、マホガニー樹皮から採るタンニンと鉄分を含む泥を反応させる「泥染め」を今に伝えています。はじめての出会いから18年、5世代にわたるシピボ族のファミリーとの親交を通じて経験した、彼らの伝統の暮らし、習俗、考え方、変わりつつある今、そして、伝統工芸「アマゾンの泥染め」の素晴らしさとその製法についてお話します。今回は、泥染めの工程の実演のほか、「アマゾンの泥染め」作品の展示も行います。


第153回 (2017/10月) 「『沈黙は破られた:16人のニッケイ』を日本で見る」
・石田智恵(早稲田大学)

『沈黙は破られた:16人のニッケイ』はアルゼンチン史上最後の軍事政権期に「失踪者」 となった日系コミュニティ出身の16人とその家族を追ったドキュメンタリー。1983年の民政移管以降、とりわけ2003年の左派政権下において、「強制失踪」問題のさまざまな意味での「解決」を目指す動きが進展し、当事者や関係者、次世代の間での語りや議論が広がり、「二度と繰り返すな」「記憶・真実・正義」といったスローガンもひろく共有されてきた。その一方で、民主政権下でも強制失踪は発生しており、1976年3月24日のクーデターから41年を経た今年、また1人が新たに強制失踪の犠牲者となった(8月)。これがアルゼンチン内外で非常に大きな論争を呼んでいることが示すように、「失踪者」は現在の問題であり続けている。本作品はこの最もメジャーな争点のなかの「マイノリティ」に着目し、「日系失踪者」の存在がなぜ長らく知られず、語られずにきたのか、「沈黙 」していたのは誰なのか、その「沈黙が破られた」とはどういうことなのか、といった挑戦的な問いを、アルゼンチン社会やさらにその外に向けて投げかける。


第152回 (2017/9月) 「メキシコ麻薬戦争・3万人の行方不明者たち--自らの手で家族を探す人々」
・山本昭代(慶應義塾大学ほか非常勤講師)

2006年12月、当時のカルデロン大統領によって、いわゆる「麻薬戦争」が開始されてから11年近く。その間メキシコでは殺人被害者は20万人を超え、3万人以上が行方不明になっている。暴力的な状況は近年さらに悪化しており、司法当局による捜査はあてにできない。そのようななか、行方不明になった家族を自らの手で探し、秘密墓地を探し出そうという民間人グループが各地で生まれてきた。危険にさらされながら現場で活動する女性たちの声を紹介する。


第151回 (2017/7月) 「ラテンアメリカ探訪アート展「Nosotros」記念出品作家トークショー」
・安藤二葉(版画),生熊奈央(版画),貝谷吉浩(チャランゴ),柴田大輔(写真),すずきさち(写真),西村FELIZ(人形),土方美雄(インスタレーション),吉永蛍(油彩)

2004年にラテンアメリカ探訪(旧メキシコ学勉強会)が発足し、毎月開催している勉強会も今年の6月で150回を迎えることになりました。それを記念し、当会に関わりが深く各分野で活躍しているアーティストによるアート展「Nosotros」を開催いたします。ラテンアメリカ探訪初めての試みとなる今回の展覧会ですが、出品していただく作家の皆様をお招きしてトークショーを開催いたします。分野の異なる各作家の本展及び作品にかける想いを清聴いただければ幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。


第150回 (2017/5月) 「民衆芸術が切り取る社会:ラテンアメリカの都市部における逸脱・越境・剽窃・転倒・反骨精神・笑い」
・佐々木直美(法政大学),長谷川ニナ(上智大学),山越英嗣(早稲田大学),司会:水口良樹
ラテンアメリカの都市社会において「民衆芸術」は、何を鮮烈に描き出し、何を笑いに昇華してきたのか。社会が脅かされた時、それらの表現はどのように変化していくのか。民衆芸術を実践する人々が描き出した社会とそれを受け取る社会との関係とはどのようなものであったのか。楽しくて過激でグロテスクで怒りと悲しみを抱えた民衆芸術の世界について熱く語ります! ラテンアメリカ探訪は例会150回達成を記念して、ペルーの民衆芸能とそのアイデンティティを研究する佐々木直美さん、ポサダなどに代表されるメキシコの民衆芸術と印刷文化を研究する長谷川ニナさん、そしてオアハカの若手ストリートアーティストたちによる社会運動研究をしている山越英嗣さんをお迎えしての座談会を行います。たくさんのお越しをお待ちしております!


第149回 (2017/4月) 「ペルーの日系詩人、ホセ・ワタナベの「日本人性」について」
・細野豊(詩人)
ホセ・ワタナベの詩に顕著に現れている「日本人性」は、日本からの移住者である父、渡辺春水(わたなべ はるみ)から伝授されたものであり、俳句、武士道、禅と密接に関わっている。昨年(2016年)来日して、父、ホセ・ワタナベのルーツを調査した娘、マヤ・ワタナベは祖父、春水の生家が、幕末まで岩国藩(現・山口県岩国市)の藩士であった長谷川家であることを突きとめた。この事実を踏まえて、『ホセ・ワタナベ詩集』の翻訳者である細野豊が、ホセ・ワタナベの詩に見られる「国際性」と「日本人性」を改めて考察する。


第148回 (2017/3月) 「映画『僕と未来とブエノスアイレス』を観る--アルゼンチンのユダヤ人社会から」
・宇田川彩(東京大学総合文化研究科(満期退学))
アルゼンチン映画『僕と未来とブエノスアイレス』(ダニエル・ブルマン監督、2004年)は、2000年代初頭のブエノスアイレスを舞台にした「人情ドラマ」として日本でも公開されました。Daniel Hendlerが好演する優柔不断なユダヤ人青年を主人公とし、ポーランドから移住してきた祖母、イスラエルへ移住した父、移民国家を象徴する雑多な商店街の人びとの息遣いの聞こえる映画です。一見するだけでは分からない時代背景やローカルネタを解説しながら、背景となっているアルゼンチンのユダヤ人社会や宗教・移民の多様性についてお話します。


第147回 (2017/2月) 「これは最早寿司ではない〜「メキシコ寿司」ワークショップ」
・武田裕煕(口笛奏者・メキシコ寿司アンバサダー)
メキシコ料理がアメリカを通じて沖縄に入り独自の進化を遂げた「タコライス」。その鏡とも言える、カリフォルニアロールの発展形、メキシコ西海岸シナロア州のsushi mexicanoを作ってみませんか。日本からの移民がほとんどいないにもかかわらず、人口1万人の町でも15軒sushi屋があるぐらい地域の食文化として確立されたフュージョンフードをこの機会に是非ご堪能ください。 ※材料の準備もありますので、今回はご予約の上、ご参加下さい。最寄りの世話人までご連絡いただきますよう、お願い致します。また、申し込み多数の場合、予約を締め切ることがございます。ご理解くださいませ。同様に、キャンセルについても、材料を事前に調達するため、必ずお知らせいただくよう、よろしくお願い致します。


第146回 (2017/1月) 「アルゼンチン伝統音楽のパノラマ:タンゴから多様な各地のフォルクローレまで」
・レオナルド・ブラーボ(アルゼンチン・ギタリスト)
日本在住10年のアルゼンチン人プロギタリストであるレオナルド・ブラーボさんが、アルゼンチンの各地の風土、人々の生活と音楽をパノラマ的に解説してくださいます。沢山の美しいアルゼンチンの写真から見えてくるその土地がもつ空気感が、音楽とどのように関係しているのか、そしてそれらは先住民、白人、そして奴隷として連れてこられたアフロ系の人々が絡まり合うラテンアメリカの歴史の中でどのように変化していったのか、といったことを、広く紹介したいということでした。また、お話は比較的入門的内容ではありますが、突っ込んだ質問なども大歓迎ということですので、タンゴ以外のアルゼンチン音楽に興味があるという方、さらに深くアルゼンチン音楽と触れ合ってみたいという方はぜひぜひおいでください。(日本語です)


第145回 (2016/12月) 「キューバの各種音楽をジャンル別に聴く」
・さかぐちとおる(著述家・編集者)
カリブ海最大の島国で、スペイン起源やアフリカ起源、そして双方の要素が融合した多様な文化が各地に存在するキューバ。渾身の新刊著書『キューバ音楽を歩く旅』(彩流社)を上梓した著者が、この国の各種音楽をジャンル別に、写真・音源・動画を用いてわかりやすく解説します。これまで計9回、キューバ全国25都市以上を訪問した経験から、地方でしか聴けない郷土音楽も紹介。また著者が1997年の初訪問から現在までの約20年間を振り返り、社会情勢の変遷も分析いたします。


第144回 (2016/11月) 「カリブ海のフランス-クレオールの文学と文化を巡って」
・星埜守之(東京大学)
カリブ海にはフランス語圏の地域がいくつかあります。たとえばハイチ共和国。そして、現在はフランスの「海外県」となっている、マルティニック、グアドループ、ギュイヤンヌ。これらの地域では、フランス語とあわせて、「クレオール語」と呼ばれる言語が使用されており、独特の文学や文化が存在します。マルティニックの作家パトリック・シャモワゾーの小説『テキサコ』の邦訳を手掛けた講師が、島の文学と文化(お酒も?)の魅力を語ります。


第143回 (2016/10月) 「イベロアメリカ文化圏に暮らした詩人・堀口大學〜インターナショナル・ステップ・ファミリー堀口家の人々〜」
・安藤二葉(版画家)
1980年、偶然に我が家にK.Horigoutchiとのサインの入ったフランス語の『Napoleon』の洋書があるのを見つけ、それが、堀口大學の父・外交官だった堀口久萬一の蔵書であると分かり、その書籍を数冊持って、葉山の堀口大學先生の許にお返ししようと伺った。 そして、1913年、在メキシコ日本公使だった堀口久萬一が、フランシスコ・マデーロ大統領が暗殺された際に、マデーロ家の一族を日本公使館に保護した美談について、大學先生からお話し伺うことが出来た。堀口久萬一公使のこの美談は、現在もメキシコ国内では忘れずに語り継がれているが、大學先生によると、「当時、日本公使館に保護を求めて来たマデーロ家の親族を助ける決断をしたのは、継母のスチナ堀口夫人だった」とのこと。堀口大學の実母は、彼が3歳の頃に結核で死亡し、父の久萬一はベルギー赴任中にスチナ・リグール嬢と出会い、結婚。「継母とは言っても、彼女は慈愛深く、なさぬ仲の前妻の子の私が結核の病に冒された時には、本当の母親以上に看病してくれて、私がこの年まで生きてこれたのは、彼女のお蔭だった」と、先生は語っていた。その翌年、堀口大學は亡くなられ、私は先生の遺言のような気もして、以来、スチナ・堀口夫人の足跡を追って、メキシコ、ベルギー、スペイン、ウルグアイ等の国々を巡ってきた。明治の外交官の堀口久萬一の生き様は、メキシコでの美談だけでは無い、正に日本の裏外交を暗躍した感がある。また、継母スチナ、そして異母妹の岩子、異母弟の義典たち、堀口家の人々の波乱の人生を知り、詩人堀口大學の奥の深さ、豊かな人間性を再確認するに至った(発題主旨)。


第142回 (2016/9月) 「ニカラグア共和国との絆の強化のための協力活動を見据えて:首都マナグアからカリブ海沿岸地域まで1ヶ月間の滞在記」
・成瀬健治 (協力活動グループ「中南米協働隊」共同代表)
1980年代内戦時の負の遺産を拭い切れず、現在も中南米における最貧国の一つであるニカラグア。近年は年間経済成長率4%台を維持する一方で、格差の拡大も見受けられます。協力活動グループ「中南米協働隊」は、2016年4月-5月にかけて、首都マナグアのほか、カリブ海沿岸を含む複数地域を訪問しました。現地で活動する国際協力団体等との意見交換を通じて認識した 現在のニカラグアが抱える課題等に関して、写真を交えてご紹介します。


第141回 (2016/7月) 「強制失踪者の家族であること--アルゼンチン社会と日系コミュニティの40年」
・石田智恵(日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)
アルゼンチンでは1970年代後半の軍事政権期に多くの人々が軍部の手によって拉致され二度と戻ってこなかった。民主化以降、徐々にこの強制失踪作戦の内容が明らかにされてきたが、いまだに行方のわからない例を含む多くの「失踪者」の家族や市民団体は40年近くにわたって「記憶、真実、正義」をめぐる活動を続けている。過去の政治暴力をめぐる責任の追及、真実解明、家族の救済などは、現在もアルゼンチン社会が直面する大きな問題のひとつといえる。こうした国内の政治的動向のなかでやや特殊な位置を占めてきた日本人移民コミュニティと、そのなかでの日系失踪者家族会の活動を紹介したい。


第140回 (2016/6月) 「ふしぎのマチュピチュ」
・白根全(カーニバル評論家)
6月はペルー大使館で好評開催中のマルティン・チャンビ写真展を企画された白根全さんにご登場いただきます。 1911年7月24日のハイラム・ビンガムによる「発見」以来、マチュピチュほど目にした人の想像力を刺激してきた遺跡は数少ないだろう。世界遺産人気投票では常時必ずトップに君臨しながら、その実像はいまだ謎に包まれたまま。確実に言えるのは、急峻なアンデス山中に築かれたインカ時代の計画都市、ということだけである。地震工学や耐震建築工学などの見地から、アンデス文明の集大成ともいえるマチュピチュの謎にアプローチしてみたい。


第139回 (2016/5月) 「メキシコ植民地時代散歩 十字架にまつわる話」
・阿部修二(写真家)
アステカ帝国がスペイン人探検家エルナン・コルテスによって征服されると、その傘下にあった小国家の中心部に巨大な修道院・教会が建てられて行きます。そうした教会正面には、決まって不思議な十字架が建てられていますが、その十字架について見て行きたいと思います。


第138回 (2016/4月) 「オスマントルコのセファルディム(追放ユダヤ系スペイン人)」
・長塚織渡(東京大学大学院)
1492年、イベリア半島のレコンキスタを達成したスペインによって追放されたユダヤ人(セファルディム)たちは、イタリアやオランダ、オスマン帝国、北アフリカ、アメリカ大陸などに移り住みました。彼らは移住後もその文化を保持し続け、独自のスペイン語を用い続けました。 そのユダヤ・スペイン語(ラディーノ)にはヘブライ文化だけではなく、中世スペインやアラブ、バルカンなどの多様な文化的伝統が溶け込んでいきました。 今回はそんなセファルディムたちの民話や音楽を中心に、その文化を紹介したいと思います。セファルディムの豊かな文化的な混淆を共に楽しみましょう!


第137回 (2016/3月) 「日本におけるラテン音楽受容史〜東京キューバンボーイズを中心に〜」
・渡辺太郎(ラテン音楽研究家)
戦前から戦後にかけて、日本に紹介されたペレス・プラードやトリオ・ロス・パンチョスなどのラテン音楽。なかでも見砂直照と東京キューバンボーイズはキューバでの評価も高い。日本でそれらラテンアメリカの音楽がどうやって紹介されたかを研究家が解説する。


第136回 (2016/2月) 「音楽と民族衣装で巡るペルーの旅:ファッション・ショー付きレクチャーでペルーを体感しよう!」
・角薫+水口良樹(ハラナ企画)
マチュピチュやナスカの地上絵、「コンドルは飛んで行く」などで有名なペルーは、今なお各地に伝統が息づく美しい民族衣装の宝庫でもあります。先住民文化とヨーロッパの文化が絶妙に混ざり合いながら生み出された華麗な衣装は、各地に生きる人々やその土地の風土によって長い時間をかけて生み出され、守ってこられたものです。  今回のラテンアメリカ探訪では、そんなペルーの美しい民族衣装の一端を、ファッション・ショー形式でその土地々々の音楽に乗せてご紹介していきたいと思います。音楽と踊り、祝祭と祝宴、それらとともにペルーに生きる人々が紡いできた衣装の多様性と奥深さをぜひ体感していただければと思います。


第135回 (2015/12月) 「<元青年海外協力隊員の視点から読む『星の王子さま』:西サハラの王子さまとエルサルバドルの薔薇の実像>」
・安藤二葉(版画家)
フランスの飛行士作家アントワーヌ・サン=テグジュペリは1944年7月31日、コルシカ島の米連合軍空軍ボルゴ基地からフランスのグルノーブル地方への偵察飛行に飛び立ったまま、行方不明となり、「自ら空の星になった」とされてきた。1998年、地中海マルセイユ沖で操業していた漁師の網から、作家の妻コンスエロの名が刻まれた銀の腕輪が発見され、サン=テグジュペリと共に行方不明となった飛行機の残骸を追跡してきたハンターたちが色めき立ち、その指輪が発見された海域を調べてきたダイバーが2000年5月、遂にサン=テグジュペリが最後に搭乗した米ロッキード社製P-38ライトニング偵察機と思しき残骸を発見するが、作家の遺族委員会からの猛攻な反対により、フランス政府が飛行機の残骸調査及び引き揚げの許可出さず、また漁師が発見した銀の腕輪も遺族委員会が偽物だとして没収した。サン=テグジュペリ遺族委員会は作家の姉シモーヌと作家のパトロンだった大金持ちのネリー・ド・ボギュ夫人によって運営され、作家未亡人のエルサルバドル人の妻コンスエロについては、十字軍の時代からのフランス貴族の家系を汚す悪妻として彼女の存在を作家の伝記中から抹消してきた。しかしダイバーたちから次々と指輪発見海域から飛行機の残骸を見たとの報告が寄せられ、遂に調査許可が下り、2004年、約60年ぶりに飛行機のエンジン部分の残骸のナンバーからサン=ゲグジュペリが乗っていた飛行機であると確認、承認されるに至った。このことから、作家が最後まで身に着けていた銀の腕輪に刻まれていた作家の妻コンスエロ・スンシンについても再認識されることとなり、作家サン=テグジュペリと『星の王子さま』のモデルとなった妻コンスエロの隠されてきた実相とが明らかにされる。 戦中ずっと親独政権のフィリップ・ペタン元帥のヴィシー政権側につき、ド・ゴール将軍のレジスタンス運動と対立してきた作家の行動、友人関係、戦時の時代等について、またエルサルバドル生まれの妻コンスエロが辿った数奇な人生を紹介すると共に、作家との思想的確執や夫婦愛について、エルサルバドルやフランス、二人が出会ったアルゼンチンのブエノス・アイレス等の写真を介し、『星の王子さま』と緒作品の舞台について、永年私が調べてきたことを発表し、解説する予定。


第134回 (2015/11月) 「アステカ王国の生贄の祭祀/生命体としての宇宙」
・岩崎賢(茨城大学・中央大学非常勤講師)
16世紀のスペインによる征服時に、メソアメリカ(古代メキシコ)に巨大な王国を打ち立てていたアステカ人の宗教伝統の核心的要素は、供犠、すなわち生贄の儀礼であった。従来の研究では。この宗教的行為は、生贄の血によって王国の守護神である太陽神を養うことを目的としていた、という説明がなされてきた。そうした説明は、しばしばアステカ人の神話や儀礼における「神々に血を捧げる」という主題を強調してきたが、それとは反対のもう一つの主題、すなわち「神々から血を頂く」という主題の重要性を見落としてきた。本発表では、拙著『アステカ王国の生贄の祭祀 血・花・笑・戦』(刀水書房)でとりあげた、この後者の主題を示すいくつかの「絵文書」の中の図像の、カラー版(オリジナル版)を紹介しながら、アステカ人の供犠は、天空と大地、太陽や月や星、そして地上の動植物からなる宇宙を、一つの《大いなる生命体》としてとらえる宇宙論に立脚した宗教的行為であることを示そうと思う。


第133回 (2015/9月) 「スペイン北西部ガリシア音楽の魅力」
・高橋めぐみ(音楽プロデューサー)
スペインの中のケルト文化圏であり、ラテンアメリカに多くの移民を送り出したガリシア地方。ガリシア音楽では、ガイタ(バグパイプ)、サンフォーナ(ハーディガーディ)、パンデイロ(フレームドラム)など独特な楽器が使用されます。 その豊かな音楽性と歴史を簡単に紹介します。


第132回 (2015/8月) 「構想された自然ー世界史の中のアマゾン文明」
・実松克義(立教大学名誉教授)
世界最大の熱帯雨林に覆われたアマゾン地域は未開の処女地ではないことがわかって いる。この地域の古代においてかつて高度な文化、大規模な社会が存在し、その痕跡 が至るところに残されているからである。これを仮にアマゾン文明と呼んでおこう。 だがこの文明は知られている他の文明とはおよそ似ても似つかないものである。アマ ゾン文明とはどのようなものであったのか。どのような構想をもって建設されたの か。この講演ではアマゾン文明の内容を様々な視点から検証し、その本質を解明した い。またこの文明をより大きな世界史の中で考察してみたい。


第131回 (2015/6月) 「ペルーのロックを聴いてみよう」
・水口良樹 × ぺぺ・もとを(ハラナ企画)
ロック・エン・エスパニョール(スペイン語ロック)といえば、やはりアルゼンチンやメキシコなどが有名であり、まだまだペルーはロック・エン・エスパニョールの一翼を担う国としては日本ではあまり知られていません。とは言え、実はペルーはラテンアメリカの中でもロックが盛んな国の一つで、マニア的なものから大衆的なもの、実験的なものなど様々なロックが試行錯誤されながら生み出されてきました。 そんなペルーのロックを代表するさまざまな作品やグループに触れながら自由に語り合ってみる、そんな会になればと思っております。 ぜひ、知られざるペルーのロック世界を一緒に旅してみませんか?


第130回 (2015/4月) 「2015コロンビア・スピーキングツアーの成功にむけて」
・柴田大輔(フォトジャーナリスト)
政府軍と反政府ゲリラによる50年にもおよぶ内乱に巻き込まれたコロンビアの少数民 族、アワの人々が、そのかつての生活を取り戻すための取り組みを支援する目的で、 フォトジャーナリストの柴田大輔さんが、5月下旬から6月中旬にかけて準備している 「2015コロンビア・スピーキングツアー」の概要を、その最新状況を踏まえて、語り ます。是非是非、ご参加下さい。


第129回 (2015/3月) 「踊り手から見たアルゼンチン・フォルクローレ」
・佐藤哲夫(アルゼンチン舞踊家)
南米の踊りというと、まず思い浮かぶのはボリビアやペルーのもの、という方も多いかと思いますが、アルゼンチンにも独特のフォルクローレの音楽や踊りがあります。現地のフェスティバルで踊りと出会い、そこから長年踊ってきた踊り手の立場から、チャカレーラ、サンバ、マランボといった主に北西部のアルゼンチンの踊りの魅力を現地の映像や踊りのレクチャーを交えてお話します。


第128回 (2015/2月) 「音、モノ、つながり:多様なるボリビア・アンデス伝統楽器の世界」
・相田豊
南米の国、ボリビアのアンデス地方には、豊かな音楽文化が存在しています。その魅力のひとつは他の地域になかなか類を見ない多種多様な伝統楽器の存在です。葦の笛ケーナ、小さな弦楽器チャランゴ、丸太をくりぬいてつくるボンボなどを初めとして、その数は数百種類に上ると言われています。これらの楽器は、美しく力強い音楽を奏でる道具であると同時に、人々の生活実践を反映し、社会関係を創り出していく媒体としての役割も担っています。この発表では、実際の楽器の演奏なども交えながら、ボリビアの伝統楽器の魅力やその社会的な背景について、余すことなく皆さんと語り尽くすことができればと考えています。アンデスの音楽は聞いたこともないという方から、ボリビア音楽を長年アクティブに演奏・研究されてきた方々まで、様々な方の参加をお待ちしています。


第127回 (2015/5月) 「メキシコ近代建築家たちの挑戦:ルイス・バラガンとファン・オゴルマンの軌跡」
・大津若果(東京大学工学系研究科建築学専攻,研究生 および 文化庁芸術家派遣在外研修員)
今回の発表は、同時代のルイス・バラガン(Luis Barragan, 1902-88)とファン・オゴルマン(Juan O'Gorman, 1905-82)の作品を中心に、世界大戦でメキシコに移住した同時代の西洋近代建築家達を比較しながら、メキシコの機能主義がいわばその対概念とも言える地域主義に乗り移られる過程について、メキシコの社会変化などとどのように関連し合いながら進んでいったのかをご紹介したいと思います。 このような地域主義やリージョナリズムの批判性は、主流/傍流、強者/弱者、中心/周縁という相対的な力関係において、いずれも後者の立場を表明する際に機能するために、モダニズムの多くの問題点が明らかになります。今回の発表では、地域主義やリージョナリズムという動向については、1959年のCIAM崩壊や、1964年の『建築家なしの建築』展などの第二次世界大戦後の戦後建築における一潮流という定義だけではなく、20世紀初頭のモダニズムや国際様式の完成の時点から、さまざまな建築家の内面で問われ続けてきたということを仮説としてご紹介いたします。


第126回 (2014/12月) 「車椅子の夫と3歳児を連れてペルーへ取材! 偕成社・世界のともだちペルー編の裏話」
・鈴木智子(フォトエッセイスト)
9月に偕成社から世界のともだちペルー編が出版されました。世界の36カ国を10歳くらいの主人公の生活を追って、紹介する児童向け写真集です。アメリカ編に続き、ペルー編の取材を私、鈴木智子が担当しました。今回は2ヶ月の取材になったので、脊椎損傷を負って車椅子生活をする夫と3歳児の娘を連れてペルーへ向かいました。現地でお手伝いさんを雇って仕事をしたり、車椅子や幼児を連れての海外渡航したりの体験報告をしたいと思います。また、ペルーの魅力だけではなく、アマゾンにある夫の実家でのドタバタ騒ぎなども話します。質疑応答も加えて、ディープなペルーを楽しんでください。


第125回 (2014/11月) 「エクアドル先住民解放運動のリーダー:レオニダス・プロアーニョ大司教の 没後の26年」
・安藤二葉(版画家)
エクアドルのカトリック司祭: レオニダス・プロアーニョは、1970年代後半にチンボラソ県に赴任し、農奴のように虐げられた先住民の悲惨な状態に憤り、解放の神学に則り、先住民の人権を回復させる運動を開始する。80年代、先住民の啓蒙活動、権利復権、農地改革を行い、先住民の農民たちが土地を所有できるよう、保守的な大土地所有者への抗議活動を展開し、農民たちを組織し、闘争を開始し、農民たちが等しく土地を持つことが出来るよう、活動した。農民たちが土地を所有するようになると、有機農法を指導。その後、1992年にはエクアドルの首都キトの大司教に任命されるが、胃癌となり、「貧しいインディオたちは未だ病院にも入れない」として、自らも病院に入院することを拒否し、1992年、死亡。当時のエクアドルのカトリック教会は解放の神学に対して無理解であり、キトの大司教としての葬儀を拒否され、ロハ県のコパワイコ村の教会に埋葬された。 チンボラソ県ではプロアーニョ神父が指導した有機農法が今も受け継がれており、自然環境を守ろうとする意識が高い。こうした思考を反映し、現ラファエル・コレア大統領が「Yasuni ITT」構想を打ち出したが、現在、その構想の夢は破れ、ヤス二での石油資源の再開発が行われることとなった。コレア大統領の環境保全政策の矛盾とその破綻した現状について、チンボラソ県で2年間見聞してきたことを土台として、私なりの見解を述べたいと考えております。


第124回 (2014/10月) 「今、改めて三国同盟戦争を語る」
・金安顕一(中南米マガジン)
新刊書「パラグアイ 戦争史」発売記念!「中南米マガジン」オーナーの金安さんが語る三国同盟戦争。戦争の推移、当時の世相を解説。きなこ臭い昨今の世界で、戦争の悲惨さ、平和の大切さを語る。去年もやりましたが、めでたく発刊されましたので、新ネタも用意しました。もう聞いたよという方も、ぜひぜひ、ご参加ください。「パラグアイ 戦争史」も、会場で販売予定 です。


第123回 (2014/9月) 「もうひとつの演劇のかたちーラテンアメリカのパフォーマンスー」
・吉川恵美子(上智大学教員)
近年、ラテンアメリカでは「パフォーマンス」というくくりで示されるアートがひとつの潮流を作っている。劇作家、演出家、俳優、劇場、舞台装置、衣裳といった従来の演劇の枠組みの外にある新しい演劇の形である。今秋来日するメキシコ人パフォーマーの紹介も含めて、なぜラテンアメリカで「パフォーマンス」が勢いを増しつつあるのかを考えてみたい。


第122回 (2014/7月) 「ルチャリブレ 現地からの最新事情」
・泉井弘之介(リングスターズ編集長)
メキシコのルチャリブレのレスラー招聘、現地での取材、プロモーションをやっておられる「リングスターズ」の泉井編集長が、メキシコのルチャリブレの最新事情について語る。


第121回 (2014/6月) 「キューバの教育 最新事情」
・キューバ教育研究会
ラテンアメリカ探訪とキューバ教育研究会が夢のタッグを組んだ!キューバの教育を長年研究するキューバ教育研究会がキューバの最新教育事情を報告。またキューバの教育の根本思想や教師、官庁の考え方についても解説します。そんなにいいもんじゃないよ、キューバを美化しすぎだよとお考えの向きもぜひ道場破りにきて下さい。


第120回 (2014/5月) 「先住民のコムニダに住む:ボリビア・コチャバンバ農村部の生活」
・宮地隆廣(東京外国語大学)
南米の内陸国ボリビアは、2006年にエボ・モラレスが大統領に就任したことをはじめ、先住民が非常に強い存在感を持っている国として知られています。現在では、インターネットを通じて、日本でもボリビアのニュースを読むことは可能ですが、ローカルな情報を知る機会は限られています。この発表では、私が同国中央部にあるコチャバンバ県の農村に住み込んで調査をした経験をもとに、ケチュアのアイデンティティを持つ人々の暮らしがどのようなものかを、写真を交えてお話しします。


第119回 (2014/4月) 「メキシコ麻薬戦争の真実」
・山本昭代(慶応義塾大学ほか非常勤講師)
3月に現代企画室から、ヨアン・グリロ『メキシコ麻薬戦争 アメリカ大陸を引き裂く「犯罪者」たちの叛乱』を翻訳・出版された山本さんに、日本のマスコミではほとんど報道されないメキシコ麻薬戦争の現実と、その背景について、語っていただきます。山本さんの著書には、その他、『メキシコ・ワステカ先住民農村のジェンダーと社会変化 フェミニスト人類学の視座』(明石書店)等があります。


第118回 (2014/3月) 「ペルーの踊りマリネラ・ノルテーニャ」
・福田千文(マリネラ舞踊家)
マリネラ・ノルテーニャを知っていますか?ペルーを代表する踊りで国民舞踊とも言われていますが、日本ではまだほとんど知られていません。マチュピチュを始め料理などでペルーが注目を浴びている今、マリネラも世界的に盛り上りを見せています。ハンカチの踊り、愛の踊りとも呼ばれるマリネラのとりこになり、ペルーへ通う福田千文がマリネラの魅力を紹介します。


第117回 (2014/2月) 「メキシコとグアテマラの太平洋岸地方の遺跡を歩く」
土方美雄(フリーランスライター、古代アメリカ学会会員)
2月上旬に社会評論社から『エル・ミラドールへ、そのさらに彼方へ〜メソアメリカ 遺跡紀行〜』を刊行する土方美雄が、その本の旅の中から、イサパやタカリク・アバ フ、ビルバオ、エル・バウル、モンテ・アルトといった、メキシコとグアテマラの太 平洋岸地方の遺跡を紹介します。会場で、出たばかりの本も売る予定です。どうぞ、 よろしく。


第116回 (2014/1月) 「メキシコ・オアハカ州、路上芸術家たちの肖像」
・山越英嗣(早稲田大学大学院)
風光明媚な観光地として知られるオアハカは、芸術の街でもある。歴史地区には多数のギャラリーが立ち並び、地元出身の画家たちの作品を目にすることができる。しかしながら、街路などの公共空間を舞台に活躍するアーティストたちの存在はほとんど知られていない。かれらはアーティストとしての顔だけでなく、街路に設置したポスターや壁画などの作品をとおして、人びとに新自由主義への警鐘や、疲弊する農村社会の現状などのメッセージを発信している。本発表では、かれらの活動について紹介するとともに、日本との意外な接点についても触れる。


第115回 (2013/12月) 「ニューヨークの若いドミニカ系がバリオで生きるということ」
・三吉美加(東京大学総合文化研究科学術研究員)
ニューヨークで一番おもしろいはドミニカ系である。1980年代以降、ニューヨークに多くのドミニカ人が流入し、市内にいくつも彼らが集中して住むバリオが形成された。いまでは2世や3世が登場し、若い彼らはバリオの同居人である他のラティーノや黒人たちとも一緒になって文化活動の場を創り出している。ヒップホップ、レゲエ、レゲトン、サルサ、メレンゲ、バチャータなどを使い分けながら、他のエスニック集団や人種の人びととつきあい、そうした場で深まる人間関係を通してドミニカ共和国の伝統的な文化観や人種観に関する気づきがもたらされている。以上、このようなドミニカ系の若者たちについてお話をしていただきます。2013年最後のラテンアメリカ探訪、ふるってご参加下さい。


第114回 (2013/11月) 「ペルー音楽最前線を聴いてみよう」
水口良樹(ペルー音楽研究者)  当日のレジュメ
「コンドルは飛んでいく」や「太陽の乙女たち」「ニッケの花」、はたまたやみつきになるチチャ音楽で一部、有名なペルー音楽。アンデス音楽や沿岸部のアフロ・クリオーヤ音楽の魅力あふれる世界の最前線はどうなっているのか?都市の若者たちが、現代を生き抜くための相棒として携えている都市民衆音楽としての最前線をご紹介する。「フォルクローレ」とは別方向の進化を遂げたアンデス音楽や、ジャズとの親和性を高めるクリオーヤ音楽などそれぞれの展開を皆で楽しみたいと思います


第113回 (2013/9月) 「エクアドル シニアボランティア中間報告」
・安藤二葉(JICAシニアボランティア、版画家)
安藤さんからのメールによれば、「エクアドルにJICAのシニアボランティアとして行くに至った経緯から、チンボラソ県の県庁で「貧困削減(社会的格差是正)」を目的とした活動の促進調整業務を行っている、その業務内容、及び、村落住民の生活状況、彼ら僻地住民とのかかわり合い方について、またエクアドルのコレア大統領が掲げた「Yasuni ITT」政策の破綻の経緯と、路線変更後の先住民運動家との軋轢が生じた一方での、コレア支持率の高さ等々、そうした現状の中で、県内僻地に県庁主導で作ったCentro Artesanal de Tagua(象牙ヤシの民芸品センター)の指導を依頼され、そこで出会ってしまったTaguaの魅力にハマって、Taguaでの装飾品制作を行うと共に、Taguaのフェアートレード、象牙ヤシの保護と育成計画を考え、この一時帰国を利用して、日本の皆様にTaguaの魅力と保護育成のためのフェアートレード活動を呼びかけて行きたと思っております」というお話になるようです。


第112回 (2013/9月) 「キューバの現代事情を熱く語る」
・高橋慎一(フォトグラファー)、 さかぐちとおる (著述家)
キューバのドキュメンタリー映画を制作中の高橋慎一さんと、新刊著書『ラテンアメリカ鉄道の旅』を出版したさかぐちとおるさん。偶然、2人が1998年にハバナで出会って以来、2人は現地の音楽や社会事情などを随時、取材してきました。今回は高橋氏からは人気ジャズ演奏家を追った映像の一部を上映してもらうとともに、さかぐちさんからは、その鉄道事情や乗車体験などを話してもらいます。キューバに精通した2人が同国の現代事情を熱く語るとともに、臨機応変に参加者と意見を交わして盛り上げたいと思います。もっとキューバを知りたい、認識を深めたいと思う皆さん、ふるってご参加ください。


第111回 (2013/7月) 「ボリビア〜激動の現代史と社会改革の可能性」
福田大治(チャランゴ演奏家、共立女子大学・常磐大学教員)  当日のレジュメ
1952年にラテンアメリカ史上でも比較的規模の大きな社会革命を経験したボリビア。 その後革命の崩壊・長期軍政・民政移管後のネオリベラル的改革といった「激動の現代史」を経て、21世紀の現在では「南米初の先住民大統領」エボ・モラレスによる急進左翼とも称される反ネオリベラル的改革路線が、あまりに重いこれまでの負の歴史的遺産を前に試行錯誤を繰り返している状態にある。 90年代中期より8年間ボリビアに滞在した報告者が現地で実際に見聞きした数々の印象的なエピソードを織り交ぜながら、同国の現代史、社会改革の問題点と可能性について会場のみなさんと縦横無尽に語り合う。


第110回 (2013/6月) 「パラグアイ戦争史についての研究」
金安顕一 (中南米マガジン発行人)   当日のレジュメ
19世紀なかばにおきたパラグアイ戦争(三国同盟戦争)について、戦争の原因や推移、当時のパラグアイをめぐる国際情勢を中南米マガジンの金安顕一が解説します。また、近日、中南米マガジンより発刊される「パラグアイ戦争史」の原稿をお見せし、この本をいかにいい本にするか考える企画です。


第109回 (2013/5月) 「カリブ海地域の文化をキューバの歴史から見てみよう」
・富山栄子(ラテンアメリカ研究家、翻訳家)
キューバの歴史からカリブ海地域の文化を見る。植民地から独立、キューバ社会の黒人音楽文化の受容、そして革命後の音楽の発展、ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの人気、カイエ13に見られるラテンアメリカ統合過程の息吹。耳から、体から、カリブ海を感じてみよう。


第108回 (2013/4月) 「演劇人佐野碩の軌跡」
・菅孝行(評論家)
現在、早稲田大学演劇博物館において、「佐野碩と世界演劇」展が開催されています。そこで、今回の「ラテンアメリカ探訪」では、日本、ソ連、メキシコ等々で、国際的演劇人として活躍し、特にメキシコでは、「メキシコ演劇の父」とまで称えられた、佐野碩の生涯について、評論家の菅孝行さんをお招きし、お話しを伺います。菅さんは、東大演劇研究会の出身で、岡村春彦さんの『自由人佐野碩の生涯』(岩波書店)の出版に尽力され、その解説も書かれています。


第107回 (2013/3月) 「ルチャリブレのススメ」
西村 FELIZ(人形作家)
メキシコには諸外国に誇れる文化がいくつも存在する。そのひとつにルチャリブレ(プロレス)がある。そう、メキシコはアメリカ、日本と並ぶ世界三大プロレス先進国なのだ。今回はメキシコのプロレス、「ルチャリブレ」がいかにしてメキシコの人々の間に根付き、そして何故彼等がルチャリブレを愛しているのかを、試合のルールや、現地での観戦方法、代表的な選手の紹介等を交え、はじめての人にもわかりやすく紹介する。西村FELIZさんのお話です。


第106回 (2013/2月) 「骸骨の聖母サンタ・ムエルテ図像の不思議」
・加藤薫(神奈川大学教授)
メキシコが麻薬撲滅に本腰を入れた頃、興味深い社会現象が露見してきた。それまで密かに信奉されてきた骸骨姿の聖母像が公共空間でも見られるようになってきたのだ。メキシコ人の死生観にも通底する骸骨表現だが、何故に今?犯罪者カルトの反撃?わからないことばかりだがその起源など民衆の創造力に触れる研究成果の一端を紹介する。中南米美術研究の第1人者、加藤薫さんのお話です。『骸骨の聖母サンタ・ムエルテ 現代メキシコのスピリチュアル・アート』(新評論)『ラテンアメリカ美術史』(現代企画室)『ディエゴ・リベラの生涯と壁画』(岩波書店)等々、著書多数。

第105回 (2013/1月) 「オアハカの死者の日」
・松川孝祐(人類学博士)、杉浦暖子(現代アーティスト)
10月の終わりから11月の初めにかけて、メキシコでは死者の日という大きなイベントがある。日本のお盆に似たような日で、亡くなった人の魂が現世に戻ってくるのを迎え入れる日である。近年、日本でもメキシコの死者の日に関するイベントや紹介が増えてきているが、実際のメキシコの死者の日がどのような日なのか、メキシコでも有名なオアハカの死者の日の様子を写真や映像と共に紹介する。



第104回 (2012/12月) 「ラテンアメリカのボクシング 名勝負 名選手」
村野浩一 (中南米ボクシング研究家)
幾多の名選手を輩出したラテンアメリカのボクシングについて語る。ロベルト・デュランやアレクシス・アルゲリョの名勝負や、ガッツ石松など彼らと対戦した日本人選手との比較などとともに、現在のラテンアメリカボクシング事情や、なぜラテンアメリカで名ボクサーが多数生まれるのか、その環境についても解説。資料も豊富です。



第103回 (2012/11月) 「プエルトリコの音楽の魅力と背景」
伊藤嘉章 (音楽ライター)

  当日のレジュメ


102回 (2012/10月) 「ブラジル柔道と日系人」
・熊王乃恵美 (東京大学大学院)
今年のオリンピックの柔道競技において、ブラジルはメダルを4つ(金1、銅3)獲得した。ブラジルは柔道人口も世界で2番目に多いと言われているが、なぜブラジルでは柔道が盛んなのか、また、日本とはどのような関わりがあるかを、お話したいと思っている。

  当日のレジュメ


101回 (2012/8月) 「メキシカン・ガールズ・モード」
第一部 「メキシコ各地の民俗衣装のファッションショー」
・織家律子 (カフェ ・イ・アルテ
内容=第1部「メキシコ各地の民俗衣装のファッションショー」
メキシコ各地の民俗衣装を、ファッションショーの形式で紹介。大変貴重な衣装を、間近で実際に見ることができる、またとない機会です。是非是非、お見逃しなく。

第2部「チカーノたちのイメージとカルチャー」トーク:宮田信(ミュージック・キャ ンプ)
日本でも人気の、カリフォルニアのメキシカン・スタイル。特にガールズを魅了するチカーナたちのファッションやカルチャーを、宮田信さんが写真や映像、音楽、インタビュー等々の豊富な素材を使って、縦横無尽に語る。

同イベント内で、メキシコ学勉強会の新名称を発表します。まさに、お祭り騒ぎ。「マヤ・アステカ文明から続く衣装の数々からチカーノのファッションまで、メキシコ文化史のタイムマシーンと化すでしょう!すごい!すごすぎる!行かないあなたは一生後悔を背負って生きていくことになります。長島の引退を見逃した巨人ファンのように」と、世話人のおひとり、「中南米マガジン」の金安編集長も、そうおっしゃっております(笑)。




第二部 「チカーナたちのイメージとカルチャー」
・宮田信 (ミュージック・キャンプ



100回 (2012/8月) 「チアパスのマヤ遺跡&ピエドラス・ネグラス」
土方美雄 (フリーランス・ライター、古代アメリカ学会会員
今年4月に、メキシコ・チアパスのマヤ遺跡、パレンケを再訪し、さらに、周辺のヤシュチラン、ボナンパック、トニナーを回り、国境を超えて、グアテマラ側にあるピエドラス・ネグラスへも、行きました。その際、撮った下手な写真でもお見せしながら、あれこれ、自由気ままに、よもやま話でも・・と。あっ、それから、ラ・ベンタ(遺跡公園ではなく、遺跡そのもの)へも行きましたので、ついでに、その話もしようかなぁ、まぁ、時間があれば・・ですが。



099回 (2012/6月) 「アンデスの精霊が舞う時:ペルー・ハサミ踊りの現在」
佐々木直美 (法政大学)
 無数にあるペルーの民俗舞踏の中でも、その神秘性とアンデスの舞踏には珍しい際立った個性によって知られる「ハサミ踊り」を取り上げる。発表者がハサミ踊り手としてゲスト参加した2010年のアヤクチョ県アンダマルカ村での「水の祭り」の写真・映像とともに、ハサミ踊りと祭りの関係について紹介する。


098回 (2012/5月) 「カリフォルニアの壁画(ミューラル)たち」
新津厚子 (東京大学大学院)
発表者が2009年から2011年の間、カリフォルニア(サンフランシスコ、ロサンゼルス、サンディエゴ)で撮影した色彩豊かな壁画(ミューラル)アートの画像を紹介します。現在のカリフォルニアの壁画には、歴史を描いた作品から、グラフィティアートと融合した作品まで多様なスタイルがあり、作家の出自も様々です。また壁画が路地に描かれるにいたっては、制作から修復までの過程において様々なストーリーが生まれています。今回は、三都市に現存する壁画鑑賞とカリフォルニア壁画事情の説明を通じて「都市に壁画があることの意味」を探っていきます。


097回 (2012/4月) 「"Movimiento por la paz con justicia y degnidad"の誕生から一年:国家非常事態にいかに対応するか」
・マルタ・バルデリオス (メキシコに平和をグローバル・ネットワーク[ジャパン])
「MOVIMIENTO POR LA PAZ CON JUSTICIA Y DIGNIDAD」は2011年3月28日に誕生した。きっかけは詩人バビエル・シシリアの息子の拉致と殺害である。メキシコの治安が悪化し、深刻化することへの危機感を誰もが持っていたものの、この市民運動が登場す るまでは、誰もが今の危機にどう対応すべきか見いだせなかった。「MOVIMIENTO PORLA PAZ CON JUSTICIA Y DIGNIDAD」が登場するまでは政府は国民に対して「マフィアを倒すのに全力を尽くしている」と繰り返し宣伝し、死者の殆どがマフィアか軍・警察側と説明していた。政府の「勧善懲悪」的なシナリオの「臭さ」に呆れるものの、誰もが正確に国で起きていることを説明できなかったのである。「MOVIMIENTO PORLA PAZ CON JUSTICIA Y DIGNIDAD」の一番の功績と言えば、なんと言っても「被害者」に光を当てたことである。「南」と「北」への二つのキャラバンを企画したことで、国中に麻薬戦争に巻き込まれて死んだ、あるいは失踪した数知れない市民がいることを証明したことである。さらに政府の「マフィア対決戦略」が誤っていることを明らかにしたことである。
メキシコ学勉強会の皆様に、ここ一年の「MOVIMIENTO POR LA PAZ CON JUSTICIA YDIGNIDAD」の歩みと、これからの計画についてお伝えしたいと思います。ぜひともいらっしゃる前に、http://peaceformexico.blogspot.com/ を覗いて下さい。『メキシコにおける抑圧のパラドックス』という記事と「メキシコの麻薬戦争の中の行方不明者」というビデオが参考になると思います。「メキシコに平和をグロバール・ネットワーク」とは海外に住むメキシコ人が築いたネットワークです。「MOVIMIENTO PORLA PAZ CON JUSTICIA Y DIGNIDAD」を支える目的で築いたものです。


096回 (2012/3月) 「コスタリカのエコツーリズム」
さかぐちとおる  (ジャーナリスト)
中米の小国コスタリカは、多様な自然が見られる観光立国。1980年代に近隣諸国が内戦状態だった時期、この国は早い時期からエコツーリズムに力を入れてきた。「平和と教育の国」と美化されがちなコスタリカの現状を解説しつつ、自然と観光を両立させる取り組みを紹介。スライドにて自然光景や野鳥などをお見せします。


095回 (2012/2月) 「天使の肖像:Fotografia de Angelito」
小林あんぬ (早稲田大学大学院)
写真が発明された1839年以後、ヨーロッパ、アメリカ、ラテンアメリカの多くの地で、亡くなった人の記念写真を撮るということが行われた。本報告はメキシコで見られるそうした死者の記念写真に関する調査・研究の報告である。


094回 (2012/1月) 「インディアーノ:カタルーニャとキューバをつなぐ環」
・八嶋由香利 (慶應義塾大学)
スペインで最も産業の集積した地域カタルーニャ、その近代化がキューバにおけるスペイン植民地支配とどのような関係にあったかを探る。着目するのは「インディアーノ」とよばれるアメリカに渡り成功してスペインへ帰国した移民たち。グエイ家(アントニ・ガウディのパトロン)やビアダ家(スペインで最初に鉄道を建設)などを取り上げる。


093回 (2011/12月) 「「星の王子さま」のバラ・コンスエロ・ド・サン=デグジュペリ夫人の数奇な生涯 in MEXICO」
・安藤二葉 (版画家)
サン=テグジュペリの妻がエル・サルバドル人で、「星の王子さま」のバラがコンスエロなるサルバドール人であることは、やっと知られるようになってきました。しかし、コンスエロ自身が作家との結婚以前のことは語りたがらず、そのためエル・サルバドールの故郷アルメニアを1921年に出発した後、カリフォルニアで謎のメキシコ軍人と結婚し、メキシコ市で離婚後に奨学金を得て勉強し、ホセ・バスコンセーロスと出会い、先住民族文化と民族精神とを学び、自己形成をして行ったこと。またそのメキシコでの革新的思想が構成されたが故に、フランスで貴族の家柄の有名作家の妻であるにも関わらず、保守的なフランス上流社会とは一線を隔して、スペイン内戦後の難民受け入れをする当時のメキシコ大統領ラサロ・カルデナスを尊敬していた。こうした彼女のメキシコを軸とした精神的過程については、これまで全く知られてきませんでした。また、サン=テグジュペリについても、彼が主に赴任した地域、「星の王子さま」の舞台の西サハラ、また「夜間飛行」の舞台が南米で、常にスペイン語が話されていた土地であることとから、作家のメンタリティ事態が本質的にラテン・アメリカ的であること、そして妻から受けた影響力と反発とを、米連合空軍に所属し、偵察飛行中に行方不明となった謎について、中南米の視点から見つめて行きたいと思います。


092回 (2011/10月) 「ユカタン・マヤの現代史:メキシコ革命とチューインガムと」
川上英(東京大学教務補佐)
ユカタン半島では1847年から1901年にかけて「カスタ戦争」と呼ばれるマヤ系先住民の主導する大反乱がありました。反乱マヤ集団は,ユカタン半島の他のマヤ集団とも異なる、独自の十字架信仰を核にした新しい社会をつくり出し、それは形を変えつつも現在に至るまで存続しています。「カスタ戦争」以降、現在に至るまでの彼らの歴史を概観し、とくに、彼らが積極的な武力抵抗をやめ、北米で需要の増大したチューインガムの原料チクレの採集産業に参加して、そのチクレを武器にしながらメキシコ革命後のメキシコ政府などの外部世界とわたりあった、20世紀前半に重点を置いてお話しします。


091回 (2011/9月) 「ボリビア生まれの日系詩人ペドロ・シモセ」
細野豊 (詩人)
ペドロ・シモセは、ラテンアメリカでは数少ない日系詩人のうち最も重要な詩人である。1940年にボリビア国ベニ州リベラルタで、日本(山口県)からの移住者下瀬甚吉の長男として生まれた。1970年代の初めに起った政争の際に、右派軍事政権に反抗したためボリビアを追われ、現在はスペインの首都マドリー在住。(本年8月筆者は彼の家に招かれ、懇談してきた。)彼の多くの詩集は、日本語を含めて12カ国語に翻訳されており、代表作として、日本の農民としての誇りを高く持って生きる父のことを書いた詩「わが父の伝記」がある。


090回 (2011/8月) 「ボゴタの貧困地区ウスメにおける早期妊娠問題について」
・寺田有里砂 (東京大学大学院)
コロンビアの首都ボゴタの貧困地区ウスメにおける少女たちの早期妊娠についてのインタビュー調査に基づき、まず早期妊娠を貧困層における「文化」として捉える視座が有効か否かを検討し、さらにそこにボゴタの社会経済的階層別棲み分け構造の影響が認められるのではないかという仮説を検証 したいと思います。


089回 (2011/7月) 「オアハカのテキスタイル」
・杉浦暖子 (現代アーティスト)
メキシコ南部に位置しているオアハカ州は、メキシコ国内で先住民率が最も高い州のひとつであり、伝統的な民芸品の宝庫でもあります。そのバラエティ豊かな民族のテキスタイルの中から、代表的なものをピックアップして紹介したいと思います。また、テキスタイルの製作過程の説明と腰織のデモンストレーションも行う予定です。


088回 (2011/6月) 「知られざるマヤ遺跡 エル・ミラドールとその周辺〜グァテマラ遺跡紀行」
土方美雄 (フリーランス・ライター、古代アメリカ学会会員


087回 (2011/5月) 「ホンジュラスの逃亡奴隷ガリフナ:アフロ系子孫から先住民へ」
・金澤直也 (早稲田大学ほか非常勤講師)  当日のレジュメ


086回 (2011/4月) 「メキシコ料理教室(第三弾)」
・日比野述子 (メキシコ料理研究家)


085回 (2011/3月) 東日本大震災に伴い中止


084回 (2011/2月) 「ABC三国(Argentine, Brazil, Chile)+ペルーの海軍力競争」
・後藤孔達 (南米海軍研究家)
南米諸国、とくにアルゼンチン、ブラジル、チリ、ペルー諸国の海軍の歴史を諸国の独立から現在まで解説。欧米から払い下げられた艦艇やフォークランド(マルビナス)紛争の話などを、平和を愛する観点から説明する。ラテンファンのみならず乗り物ファンにもご満足いただける内容です。


083回 (2010/1月) 「ラテンアメリカで起業する」
高橋慎一 (フォトグラファー)
ラテンアメリカをテーマに商売をしてみたい人必見!カメラマンでキューバ関係の著作を執筆した高橋慎一氏が、ラテンアメリカをテーマにした執筆活動、写真撮影などで「ラテンアメリカ」で収入を得て生活するにはどうしたらいいかを語る。


082回 (2010/12月) 「コロンビア・アンデスに暮らす先住民族」
・柴田大輔 (フォト・ジャーナリスト)
コロンビア南部のカウカ県、ナリーニョ県のアンデス地方で出会った先住民族の暮らしから、現在のコロンビアの様子をお伝えしたいと思います。アンデス山脈に暮らす人々にとって、古来より生活と深く結びついた伝統作物としてのコカ、一方で近年、武装組織がコカを基にした麻薬取引から資金を得るようになり、先住民族が紛争に巻き込まれています。しかし、植民地時代より抑圧されてきた先住民族が、彼らの社会に根付く人間同士・大地とのつながりから未来に向け立ち上がっています。あまり伝えられることのないコロンビアの先住民族の様子をお伝えしたいと思います。


081回 (2010/11月) 「サラリーマンになってからのメキシコ一人旅」
・荒武 (メキシコ学勉強会参加者)
メキシコ湾岸を旅行した際の出来事を中心にお話ししたいと思います。メキシコへの旅行も3度目を迎え、「外国へ来た」という新鮮さは薄れてきた一方で、メキシコという国の素晴らしいところが段々見えてきました。今回のお話では、こうした日本にはないメキシコの良いところを皆様にお伝え出来ればと思います。


080回 (2010/10月) 「ニューヨーク・ラテンの魅力〜移民が地元民となったとき、サルサは生まれた」
・岡本郁生 (音楽評論家・プロデューサー)   当日のレジュメ
近年、日本でも「サルサ」という言葉を耳にする機会が増えている。しかし、多くの場合は単に「ダンスの1ジャンル」としてしか、この言葉をとらえていないようだ。長い歴史の中で培われ、ラティーノたちの間で「文化」として育まれてきたサルサ(をはじめとするラテン音楽)の魅力をさぐりつつ、ラテン音楽が米国のポピュラー音楽の中で果たしてきた役割を考える。


079回 (2010/9月) 「テキサスの巨星逝く!天才チカーノ・アコーディオン奏者スティーヴジョーダンが奏でたボーダーランドの歌」
・宮田信 (MUSIC CAMP, Inc主宰)
TEJANO/TEX-MEXの世界だけに留まらず、トーキングヘッズやジェリー・ガルシアなどとも共演したテキサスのアコーディオン奏者、スティーヴ・ジョーダンが去る8月13日71歳でこの世を去った。演奏が難しいと言われるボタン式アコーディオンにディレイなどのエフェクターをつなげ、ポルカ、クンビア、サルサにブルースやジャズを自由自在に混ぜ合わせた独創的サウンドを創りだした天才音楽家。異端的な音楽世界にも拘わらず、地元チカーノの民衆からも大きな喝さいを浴び続けてきたその理由とは、何だったのか。スティーヴ・ジョーダンの音楽をもう一度聴きながら、テキサス・メキシコ系音楽の魅力を再検証してみよう!


078回 (2010/8月) 「オルメカ文明とは何か」
土方美雄 (フリーランス・ライター、古代アメリカ学会会員
7月31日〜9月26日、京都文化博物館において、オルメカ文明に特化した展覧会としては日本でおそらく初めての、「古代メキシコ・オルメカ文明〜マヤへの道〜」展が開催され、引き続き、東京の古代オリエント博物館でも、10月9日〜12月19日に、その巡回展が予定されています。そこで、同展の開催にあわせ、オルメカ文明とは何かについて、考えてみたいと思います。


077回 (2010/7月) 「メキシコの絶滅の危機に瀕した言語の研究と保護」
・松川孝祐(ニューヨーク州立大学オーバニー校)
メキシコではナワトル語、サポテク語、ミシュテク語、マヤ語、ミヘ語、ソケ語など、今でも非常に多くの言語が話されています。しかし、その多くは絶滅の危機に瀕していると言われています。メキシコの絶滅の危機に瀕した言語の現状とその研究状況について簡単に説明し、言語学者がどのようにしてそれらの言語の保護に貢献できるのか、自分のフィールドワーク体験や主要な研究者からの情 報等を交えてお話するつもりです。また、メキシコの言語の面白い特徴や古代文字(マヤ文字、エピ・オルメク文字、サポテク文字、コデックス類)の解読にどう役立つのかについてもお話しするつもりです。言語学的な難しい内容には触れず、一般の方にもわかりやすいような内容でお話します。この機会を通して、メキシコの言語の現状について少しでもご理解いただければと思っております。


076回 (2010/6月) 「安藤二葉のチリ報告」
・安藤二葉 (版画家)
安藤さんが震災後のチリから、戻ってこられました。そこで、6月の勉強会では、その安藤さんに、震災後のチリの状況について、お話を伺うことにしたいと思います。安藤さんからは、「内容としては、チリだけに限らず、エル・サルバドル、その他の国々で災害現場を見てきて思うことなどをお話したいと思います」との、メールをいただきました。


075回 (2010/5月) 「ラテンアメリカのヌエバ・カンシオン」
・八木啓代 (歌手・作家)
1960年代から70年代にかけて、南米のチリをはじめ、アルゼンチン、ウルグアイ、ベネズエラ、ボリビア、メキシコ、ニカラグア、キューバなど、中南米各地で「新しい歌」と呼ばれる音楽の巨大なムーブメントが起こりました。1960年以後の社会運動と密接につながった社会派のフォルクローレという枠組みだけでははかれないほど、その後の中南米の社会と音楽に大きな影響を与え、現在も脈々と生き続ける、そのムーブメントについて、音楽を聴き、映像を見ながら、話させていただきたいと思います。


074回 (2010/4月) 「メキシコ先住民像の歴史的形成」
井上幸孝 (専修大学)
まず、大航海時代のスペイン人が抱いた先住民像を通観し、「インディオ」という括り方の下に多様な先住民諸集団をかなり画一的なイメージで捉えようとした側面があったことを見る。その上で、そうした画一的先住民像に対して、征服後、16〜17世紀の先住民(もしくはその地をひく混血者)の歴史家たちが、スペイン人の創り上げたイメージとは異なった自己イメージを提示しようとしたことを見る。地域については、インディアス全体にかかわる部分もあるが、主に「アステカ王国」の中心であったメキシコ中央部を舞台として話を進める。また、時間が許せば、上記の先住民の自己イメージが17世紀後半以降のクリオーリョに影響を与えた点も見ていきたい。


073回 (2010/3月) 「中南米の熱帯雨林を歩く」
上島善之 (ラテンアメリカクラブ)
世界13カ国、31の熱帯雨林を取材された超力作『熱帯雨林を歩く』(旅行人)を、4月に上梓される、ラテンアメリカクラブの上島さんをお招きし、主に中南米の熱帯雨林の現状につていて、報告していただきます。是非是非、ご参加下さい。


072回 (2010/2月) 「メキシコ・ユカタン半島の知られざる見どころ〜現代マヤの農村部を訪れる」
・山本道子 (大手ポータルサイトのディレクター兼ライター)
屋根の崩れたカトリック教会、自然崩壊しているマヤ遺跡、現代のマヤ現地宗教、廃墟の工場、最近現地で人気の真っ青な地底湖…メキシコ キンタナ・ロー州(カンクンのある州)南部、ユカタン州の州都・メリダ郊外の農村部などに点在する新しい見どころを、歴史を交えながら紹介します。まだあまり観光地としては認知されていないため、アメリカ人観光客はたまに見かけるけれど、日本ではほとんど紹介されていない、未知のエリアです。


071回 (2010/1月) 「ビジネスとラテンアメリカ」
・浜根謙一 (チチカカ元社長)
ラテンアメリカをテーマにビジネスをしてみたい人必見。チチカカの創業者で元社長の浜根謙一氏が、自身の経験から、ラテンアメリカをテーマに商売する際の、商品の仕入れや販路の獲得、人脈作り、ラテンアメリカの人たちとの交渉、どういう層をターゲットにするか? 商売に必要な外国語(あるいは外国語は必要か?)を語る。


070回 (2009/12月) 「コスタ・リカにおけるドメスティック・バイオレンス」
・杉下由紀子 (大学非常勤講師)
中米のスイスと称され、平和、民主主義、人権、教育、環境等の分野で一般に高い評価を得ているコスタリカをジェンダーの視点で見るとどうか?特に、近年世界的な課題としてようやく公の場で論じられ対策が講じられるようになったドメスティック・バイオレンスに焦点をあて、政府やNGOによる活動の成果や課題を述べる。また、日本の状況と比較しながら互いに学び連携しあえる可能性はあるか考えてみたい。


069回 (2009/11月) 「ボリビア音楽におけるアフロ文化認識の変遷」
・梅崎かほり (慶應義塾大学ほか非常勤講師)
アンデス文化圏に属するボリビアで、いまや「国民音楽(Musica Nacional)」とも呼ばれるフォルクローレ音楽。そのなかで描写されてきたアフロ性と、80年代よりボリビアで広く知られるようになった「サヤ」をめぐる動向を追い、ボリビア文化を担う一員として、また国民としての権利を主張するアフロ系ボリビア人の現在を考察する。


068回 (2009/10月) 「日系ペルー人からペルー系日本人へ」
・太田宏人 (ライター。「ペルー新報」元日本語編集長)
日本人と南米の最初の接点はペルーでした。とくに、110年前に始まった日本人ペルー移住によって、両国の結びつきは単なる外交上のものから人的な交流へとシフトしました。人的な交流は、現在も続いています。「デカセギ」もその一つです。「デカセギ」が始まってすでに20年の月日が流れ、「在日二世」はもちろん、「在日三世」も生まれようとしています。子供たちはスペイン語よりも日本語のほうが得意になりつつあります。もはや「出稼ぎ」ではありません。日本人がどう思おうが、生活者です。ただし、「定住者」とも言い難い存在なので、私は何年か前から「停住者」と呼んでいます。「日系ペルー人からペルー系日本人へ」という変容を遂げつつあるペルー人コミュニティーの成立の背景、経済危機下で私たち[colectividad peruanaen Japon]が直面する課題の一端と、「日本の日本人」の差別思想に絡めて話そうと思います。


067回 (2009/9月) 「さらに南へと拡がるラテンジャズの地平線〜サウス・アメリカン・ジャズの魅力」
・河野一徳 (ジャズ、ラテン音楽愛好家)
ラテンジャズといえば、アフロ/キューバン・ジャズ。ジャズファンもラテン音楽ファンも多くの方がまずはそんなイメージを抱かれると思います。が、実は南米大陸でも現地の様々な音楽の要素を取り入れたユニークなジャズが演奏されています。リズムの多彩さや楽器の組み合わせの自由度はラテンジャズに留まらず、ジャズそのもののニューウェイブと言っていいかもしれません。そんな「サウス・アメリカン・ジャズ」の魅力を親しみやすい音源で辿りながら、楽しい時間を過ごすことができればと思っています。


066回 (2009/8月) 「画家エスコバル瑠璃子さんの個展とエル・サルバドル内戦のお話」
エスコバル瑠璃子 (画家)
今回は、エルサルバドルの内戦を体験された画家のエスコバル瑠璃子さんのご自宅を訪問し、その個展を拝見した上で、絵やエルサルバドルの内戦についてのお話をお伺いするという、いつもとは違った夏の特別企画です。参加人員を確定する必要上、今回のみ、要予約になります。参加希望者は、その旨、土方までメール下さい。事前に、詳しい内容のメールを、個別に差し上げます。


065回 (2009/7月) 「あなたならどうする? 初めての飛行機、海外一人旅」
・荒武 (メキシコ学勉強会参加者)
今回のメキシコ学勉強会では、発題者の荒武さんが旅行で体験したハプニングを紹介し、参加者の皆さんだったらどうするか、そしてそれに対して発題者がどのように解決した(する)か、についてを、旅行先で撮った写真などを交えながら紹介していくという試みで行いたいと思います。


064回 (2009/6月) 「メキシコの死者の日と死生観について」
・森和重 (メキシコ-日本アミーゴ会)
毎年10月に入るとメキシコの街には骸骨やドクロのお菓子や飾り、カボチャの仮面が並ぶようになる。11月2日の「死者の日」のための贈物や飾りである。このどぎつい飾りものは、つかの間の生命の復活する死者を表現するもので、死へ導くものではない。 メキシコの古代文明の先住民の死生観と植民地化後のキリスト教文化との混合により新たな宗教観が生れ、さらには独立・革命の時代にも「ドクロ」が重要な役割を果たしている。さらにはこの「ドクロ」に魅せられた日本の芸術家もいる。「死者の日」を通して歴史の背景や流れを垣間見てみたい。


063回 (2009/5月) 「アルゼンチン人とダンス」
・長野太郎 (恵泉女子大学)
踊りが日常の中に根付いていると言われるラテンアメリカにあって、今日、アルゼンチン人はどのようにダンスと関わっているのでしょうか?かつてはタンゴが大衆舞踊の代表として一世を風靡しましたが、もう半世紀以上前のことです。アルゼンチンのダンスと関わりを持ってきた発題者が、昨年から今年にかけて、約7ヶ月間にわたってアルゼンチン国内外で行った参与観察をもとに、アルゼンチン、ひいてはラテンアメリカ・カリブ地域における、ダンスの文化・社会的意義を考えてみたいと考えています。


062回 (2009/4月) 「アンデスとアマゾンで同時に暮らせるペルー」
・鈴木智子 (フォト・エッセイスト)
ペルーのクスコ在住のフォト・エッセイスト鈴木智子さんの、ペルーでの生活をお聞きします。高度3400メートルに位置するインカ帝国の首都であったクスコ市を拠点に、エコ・ツアーで有名なアマゾン地方のマヌー国立公園とを行き来しながら暮らす、いろいろなこぼれ話などを中心に、お茶会形式でおしゃべりできればと考えています。


061回 (2009/3月) 「メキシコ南部国境の人の動きと社会変化:チアパス州の先住民を中心として」
・和田佳浦 (メキシコ学勉強会発起人)
メキシコ人による米国への大規模な出稼ぎ労働は、第二次大戦前後に遡り、すでに長い歴史があります。そして、今ではメキシコ人の1割が米国に住んでいるとも言われています。しかし、グァテマラとの国境に接するチアパス州では、20世紀半ば以降も、他州や米国への移動が少なく、州内の移動が主要なものでした。また、チアパス州からの北米への人の移動が増加するのは、今世紀に入ってからです。勉強会では、この20世紀の州内移動に焦点をあて、移動が起こった社会的背景をお話しするとともに、国際移動を含め、20世紀から今日までのチアパス州に関わる人の移動について、その概観を追ってみたいと思います。


060回 (2009/2月) 「オクタビオ・パスを語るーその詩を中心に」
細野豊 (詩人)
オクタビオ・パスは人間としてのスケールが大きく、かつ奥が深いので、その全体像を把握することは容易でない。そこで今回は、この偉大な詩人、評論家の本質にいくらかでも迫る方法として、彼がアンドレ・ブルトン等から受けたシュルレアリスムの影響、及びこれと密接に関っているエロティシズムと日本を含む東洋の文化への関心に焦点を当てることとし、それに則した詩をいくつか取り上げて鑑賞することとしたい。


059回 (2009/1月) 「チアパスから見えるもの:<液状化>の今」
清水透 (慶応義塾大学)   当日のレジュメ
チアパスでは、この15年で先住民の村も都市も、かつて想像もできなかったほどに大きな変化を遂げた。 いわば<液状化>といった状況が今もつづいており、今後いかなる方向をたどるか予断は許されない。ただ、ひとつはっきりしているのは、征服以来、近代という時代が築きあげてきた植民地的秩序が、根底から崩れはじめ、その秩序のもとで固定化されてきた先住民の意識と価値観にも、大きな変化が見えはじめていることだ。<近代>という時代の<液状化>の姿が、今チアパスに象徴的に展開しているように思う。勉強会では、1979年以来通いつづけてきたチャムーラ村とサン・クリストバル市の変化の様子をパワーポイントで紹介しつつ、上記の私の思いをお伝えしたい。


058回 (2008/12月) 「現代コロンビアにおける演劇.社会.ジェンター」
・仮屋浩子 (明治大学)
先々月末、コロンビアの民衆演劇グループの代表格であるテアトロ・ラ・カンデラリアの2人の演出家サンティアゴ.ガルシアとパトリシア・アリサが日本演出者協会招聘により初来日した。サンティアゴ・ガルシアは日本人演出家・佐野碩の弟子である。東京、京都を中心に演劇ワークショップ、講演を行い、それぞれが熱く語ったあとの参加者からの質問は時間外まで続くほどであった。今回の勉強会では、その彼らの日本でのワークショップ、講演を振り返り、コロンビア社会、演劇、そしてジェンダーに関する現状の一部を共有するとともに、日本人について彼らが語ってくれたことからラテンアメリカの眼に日本人はどう写るのかを考えてみたい。


057回 (2008/11月) 「古典期から後古典期へ〜何がどう変わったのか、最近の取材に踏まえて〜」
土方美雄 (フリーランス・ライター、古代アメリカ学会会員
今回はユカタン半島とメキシコ中央高原における、先住民文化の古典期から後古典期への移行期に焦点をあてて、後古典期とはどういう時代であったのかについて、考察していきたいと思います。とはいうものの、いわゆる専門的な研究発表ではなく、いわば考古学&古代史よもやま話です。どーぞ、お気軽にご参加下さい。


056回 (2008/10月) 「キューバ生活図鑑」
すずきさち (中南米マガジン)
10月のメキシコ学勉強会は、中南米マガジンで健筆をふるっているすずきさちさんです。すずきさんは長年キューバに通い、かの地での庶民の暮らしぶりを写真に収めてきました。今回はその写真を見ながら、キューバの社会、文化、生活、宗教などを話していただきます。皆様のふるってのご参加をお願いします。


055回 (2008/9月) 「テキーラ四方山話」
・ルイス・ロドリゲス   (グローバル・コメルシオ)
8月の夏休み特別編でもお話していただいたロドリゲスさんに、さらにディープなテキーラのお話しを伺います。


054回 (2008/8月) 「メキシコの魂を歌った男/ホセ・アルフレド・ヒメネス」en UPLINK
 ドキュメンタリー映画「メキシコの魂を歌った男/ホセ・アルフレド・ヒメネス」上映
・話者 岡本郁生 (音楽評論家・プロデューサー)
    金安顕一 (中南米マガジン発行人)
 テキーラ試飲会 グローバル・コメルシオ


053回 (2008/7月) 「カリブ海地域の音楽をめぐるあれこれ」
倉田量介 (東京大学ほか非常勤講師)
シリーズ・ラテン音楽で、意外にも初の、カリブ音楽編です。これまでキューバ、中米地峡、ペルー、コロンビア、ボリビア、アンデス諸国など各地の音楽についてのお話がありましたが、1989年以降、キューバ、プエルトリコほか当該地域を訪問されている倉田量介さんにお話しいただきます。是非、おいでください。


052回 (2008/6月) 「アンデス周辺諸国の音楽を概観する」
水口良樹 (ペルー音楽研究)
シリーズ・ラテン音楽の一環として、アンデス周辺諸国の大衆音楽を紹介したいと思います。特に今回は一つの国に絞らず、アンデス諸国がどのように互いに影響を与え合いながら「アンデス音楽」を構成し、またその中から商業音楽「フォルクローレ」や「ヌエバ・カンシオン」運動などが誕生してきたか、というお話を簡単に見ていければと思います。


051回 (2008/5月) 「三カ国での暮らし〜エルサルバドル・アメリカ・日本」
・ネルソン・リカルド・ルナ・カニャス
今回のメキシコ学勉強会では、エルサルバドルで生まれ、内戦の最中アメリカに渡り、ロスのヒスパニックコミュニティで育ち、現在は日本で生活されているエルサルバドル人のネルソン・リカルド・ルナ・カニャスさんをお迎えして、その激動の半生を語っていただけることになりました。中米エルサルバドルの内戦や、新天地での生活、来日後の事など、いろいろ興味深いお話を聴かせていただけると思いますので、ぜひおいでくださいませ。


第050回 (2008/4月) 「私のとっておきのメキシコ〜メキシコへの愛を語る〜」
・司会 金安 顕一 (中南米マガジン発行人)
・話者 土方美雄 (フリーランス・ライター、古代アメリカ学会会員
    和田佳浦 (発起人)
    さかぐちとおる  (ジャーナリスト)
    西村FELIZ (人形作家)
・音楽 福田大治 (チャランゴ奏者、恵泉女学園大学講師)
    小畑みゆき 

2004年の2月に第1回例会を秋葉原で始めたメキシコ学勉強会が、今年4月で第50回を迎えます。つきましては、メキシコ学勉強会50回記念として、メキシコへの愛を語る座談会を催したいと思います。軽いおつまみと飲み物も出せれば…と思っております。曜日、場所(階)などがいつもと異なりますので、ご確認の上、ぜひぜひふるって御参加ください。


第049回 (2008/3月) 「「開花する」アステカ戦士」
・岩崎賢 (日本学術振興会)
今回は、活動の場をメキシコからアメリカに移す間に、一時帰国されている岩崎賢さんにアステカの宗教観をテーマに話していただきます。アステカ人の宗教の核心には、死がある。彼らの神話は、世界創造は神々の死によって実現したと語る。彼らはこの神々の死を、儀礼の場で繰り返し再現した。また彼らは偉大な戦士であり、戦場において死ぬことを最高の名誉とした。彼らは、死とともに生きた人々であった。こうした強烈な生き方を、我々はどう理解することができるだろうか。マヤの宇宙観に引き続き、先住民文明の世界観についての興味深いお話が聴ける絶好の機会です。奮ってご参加ください。


第048回 (2008/2月) 「フェアトレードとメキシコのコーヒー農家」
・北澤肯 (フェアトレード・リソースセンター代表)
今回は、フェアトレード業界に深く携わってきた北澤肯さんに、話していただきます。フェアトレードとは、立場の弱い途上国生産者の就労環境や生活文化を守るため、市場価格より高く労働対価に適正な価格で、長期に渡って取り引きすることです。彼らの社会的経済的自立を促進し、経済格差の是正にも寄与されます。北澤さんはメキシコのチアパス州、オアハカ州で、フェアトレード契約のコーヒー農家を視察されてます。彼らの労働環境や生活事情から、フェアトレード導入に伴う抗争といった問題点まで紹介。国際貿易の広い観点で、語っていただきます。奮ってご参加ください。


第047回 (2008/1月) 「メキシコ先住民女性は、いま: 学ぶ、働く、産み育てる」
山本昭代(慶応義塾大学ほか非常勤講師)
今回は、メキシコの先住民村落の女性に注目して、現代社会を生きる彼女たちの生活の一端を紹介していただけることになりました。発表者の山本さんから「私がおりましたワステカの村の話を中心にしようと考えております。先住民といっても、私がいたのはかなり近代化されたところなのですが、今日の農村や農村出身の女性たちがどんな暮らしぶりか、知ってもらえたらと思います」といったメッセージを頂いております。フィールドワークに基づく貴重なお話をきける機会ですので、ぜひ御参加ください。


第046回 (2007/12月) 「ボリビア音楽の発展と現在」
福田大治(チャランゴ奏者、恵泉女学園大学講師)
今回は、ボリビアで長らく演奏活動を行なってきたチャランゴ奏者で、研究者でもある福田大治さんにおいでいただいて、ボリビアの音楽文化の形成から現在までの流れについて、話していただく予定です。ボリビアを中心とした「フォルクローレ」音楽は、日本でも人気がありますが、その音楽自体をきちんとまとめた資料なども、ほとんど日本語ではないので、貴重なお話を聴くことの出来るいい機会だと思います。奮って御参加ください。


第045回 (2007/11月) 「オアハカ・リンド  メキシコのキュートな町」
アンダーソン 優子 (メキシコ雑貨輸入「トレンサ」主宰)
今回は11月に産業編集センターより「オアハカ・リンド メキシコのキュートな町」という本を上梓される、メキシコ雑貨輸入「トレンサ」主宰者のアンダーソン優子さんに、オアハカ近郊の村々のアルテサニア生産者の紹介等、主にご自身が関わっておられるフェアトレードに関するお話を伺う予定です。是非、ご参加下さい。


第044回 (2007/10月) 「吉田太郎さんが語るキューバ医療」
吉田太郎(長野県農業大学校勤務)
今回は、8月に新著「世界がキューバ医療を手本にするわけ」(築地書館)を出された吉田太郎さんをお招きして、キューバ医療を中心にお話をしていただきます。吉田さんの著書では、「『持続可能な福祉医療社会』の実現を目指してカリブの小国が続けてきた模索は、日本の将来を懸念する現場の医師や患者に、もうひとつの未来へのヒントを垣間みせてくれる」として、キューバから日本への問いかけにもなっています。お話は、医療のみにとどまらず、グローバリゼーションに対するキューバ、中南米、そして日本は?といったところまで踏み込んでお話いただく予定です。これまでに何度もキューバを訪れ、今夏もキューバを訪問されている吉田さんから生のキューバ事情を伺える機会です。キューバに関心がある方、吉田さんと意見を交わしたい方など、ふるってご参加ください。


第043回 (2007/9月) 「メキシコ現代詩にみる西洋文明批判」
細野豊 (詩人)
メキシコに長く在住し、最近土曜美術社より『現代メキシコ詩集』を編訳で出された詩人、細野豊さんをお迎えして、メキシコの現代詩についてお話いただきます。メキシコの現代詩の流れの解説や詩の朗読なども交えながら、メキシコ現代詩の持つ西洋批判的側面についてもお話を展開していただく予定ですので、ぜひこぞってご参加ください。


第042回 (2007/8月) 「チューチョ・デ・メヒコが語るメキシコ音楽とその演奏」
チューチョ・デ・メヒコ(メキシコ音楽演奏家)、通訳:和田佳浦、滝沢久美
今回は、いつもの勉強会と場所とスタイルを変更し、メキシコ音楽の巨匠チューチョ・デ・メヒコさんに、彼から見たメキシコ音楽について語っていただき、また演奏もしていただくというちょっと豪華な夏休み特別版勉強会を催させていただきます。また、今回のみ会場として使わせていただく「テピート」自慢のメキシコ料理を食べながらの会とさせていただきます。勉強会のために特別プログラムということですので、ぜひ機会をお見逃しなく、おいでくださいませ。


第041回 (2007/7月) 「メキシコとコロンビアの佐野碩:その軌跡を追って」
吉川恵美子 (上智大学イスパニア語学科教員)   当日のレジュメ
今回はメキシコ近代演劇の父と評される"佐野碩(1905-1966)"の人生の軌跡をお話しいただきます。佐野碩は、祖父に後藤新平、叔父に元日本共産党委員長佐野学、従兄弟に鶴見和子.俊輔姉弟という思想家の一族に育ちました。演出家としての才能を発揮し、左翼演劇運動の闘士として活動しましたが、思想弾圧を逃れ、1931年に日本を出国しました。 ソ連、ヨーロッパ各地、アメリカ合衆国で演劇活動を続け、1939年にメキシコに亡命しました。その後自ら演劇学校を創設し、メキシコ、コロンビアなどで、舞台芸術の刷新に貢献しました。 今回の勉強会では、ひとりの日本人演出家がメキシコにかけた夢と挫折の軌跡をたどります。


第040回 (2007/6月) 「日本・メキシコ経済連携協定発効3年目に入った日墨の貿易・投資事情」
滝沢寿美雄 (メキシコ大使館勤務)
今回は、メキシコ経済省駐日代表部貿易・投資顧問として、メキシコ大使館に勤務されている滝沢寿美雄さんに、上記テーマでお話しを伺います。経済関係の発題はこの勉強会では、今回が初めてです。ふるってご参加下さい。


第039回 (2007/5月) 「メキシコの貝紫染め」
・吉見逸朗 (染織研究家)
今回は、メキシコはオアハカ地方に伝わる貝紫染めの記録映像を撮られた吉見さんをお招きして、現地の染め物についてのお話を聞かせていただく予定です。なかなか聞けないお話が聞けるチャンスだと思いますので、是非、ご参加ください。


第038回 (2007/4月) 「コカ生産地出身、ペルー・アマゾン区長、フジモリとテロとコカを語る」
・ワルテル・マンシージャ・ワマン (通訳:鈴木智子)
今回は、ペルーから来日中のワルテル・マンシージャ・ワマンさんをお迎えしての、普段聴くことのできないちょっとディープなペルーのお話しを聴かせていただき、質疑応答の中でいろいろ現地の人の声を聞く会にできればと思っております。ペルーのアヤクーチョ県は、80年代よりゲリラ組織「センデロ・ルミノソ」の活動拠点として、政府軍との戦いによって多くの村々が蹂躙され、村人が虐殺される状況が、フジモリ大統領の時代に「治安」が正常化されるまで続きました。このアヤクーチョの低地アマゾンのコカ生産地域で生まれ育ったワルテルさんが、アヤクーチョを離れ、区長としての現在に至るまでの半生を振り返ったお話をお聞かせいただく予定です。


第037回 (2007/3月) 「メキシコ料理教室 第二弾」
・和田佳浦、 西村FELIZ 水口良樹、etc
大好評だったメキシコ料理教室の第2弾です。さて、今回はどんな料理をつくるのでしょう??腕自慢の方の飛び入り参加も、もちろん、大歓迎。楽しくつくって、食べながらの懇談も…。今回のみ、材料購入の都合上、出来れば事前の予約をお願い致します(もちろん、予約しなかったから、参加出来ないということではありません)。


第036回 (2007/2月) 「ジャンル別ラテンミュージック金持ち度ランキングについてみんなで考えてみようよ」
金安 顕一 (中南米マガジン発行人)
「中南米マガジン」で、ジャンル別ラテンミュージック金持ち度ランキングという企画を記事にすることになりました。そこで、ラテン音楽ファンの方からなるべくご意見をいただき、この企画の妥当性、当日発表するランキングについてのご意見、あるいは、こういう金持ち&貧乏なラテン音楽ファンがいる、このジャンルのラテンファンはこういう傾向がありそうだ、などなど、皆様のご意見をうかがいたく思います。当日は、講師が一方的に話すのではなく、皆様の意見を聞きつつ、討論のような形で会を進めたいと思います。よろしくお願いします。(金安オーナー談)


第035回 (2007/1月) 「比較研究:キューバ音楽」
・増澤誠一 (中南米マガジン)
ペルー、中米、コロンビアに続くメキシコ音楽との比較研究シリーズ第4弾はキューバの音楽。「中南米マガジン」にキューバ音楽について書き続けている増澤誠一さんに、お話しを伺います。


第034回 (2006/12月) 「リラ・ダウンズと映画『フリーダ』」
土方美雄 (フリーランス・ライター、古代アメリカ学会会員
メキシコ先住民の母を持つシンガー・ソング・ライター、リラ・ダウンズのディスコグラフィーを『中南米マガジン』最新第18号に書いた土方が、リラ・ダウンズの魅力と、その彼女の名が多くの人々に知られるきっかけになった映画『フリーダ』について、お話します。


第033回 (2006/11月) 「メキシコの映画」(パート2)
上野清士 (ジャーナリスト)
「月刊ラティーノ」等に、毎号、健筆をふるう作家の上野清士さんに、メキシコ映画の魅力について、大いに語っていただきます。まだ、その内容について、具体的な打ち合わせをしていませんが、どんなお話しになるか、とても楽しみです。


第032回 (2005/10月) 「メキシコの路上生活児を考える」
さかぐちとおる  (ジャーナリスト)


第031回 (2006/9月) 「とりあえずの再開です(フリートーク??)」
・フリートーク


第030回 (2006/7月) 「『イノセント・ボイス』を再確認するミーティング」
エスコバル瑠璃子 (画家)、安藤二葉(版画家)
今回はメキシコ映画『イノセント・ボイス』を観ながら、画家のエスコバル瑠璃子さんと版画家の安藤二葉さんのお二人に、当時、映画の舞台となったエル・サルバドルにいた者でしかわからない情報をも交えつつ、映画の解題をしていただきたいと思います。どうぞ、お楽しみに。


第029回 (2006/6月) 「メキシコの『悲劇週間』における日本大使館と日系住民の動向」
・安藤二葉 (版画家)
今回は版画家の安藤さんに、メキシコの「悲劇週間(マデーロ大統領暗殺事件の起きた8日間)」における、当時の堀口九萬一公使(堀口大學の父)の妻スチナ・ジュテルンドとマデーロ大統領との交流や、マデーロ側についた日系メキシコ人、つかなかった日系メキシコ人の行動について、お話ししていただきます。安藤さんは『すばる』1999年4・5月号(集英社)に、「堀口大學、メキシコの悲劇週間」という原稿を書かれています。


第028回 (2006/5月) 「コロンビア・フォルクローレ・フェスティバルの旅」
・アルフレッド・大山 (メキシコ音楽研究家)
水口さんのペルー音楽に続くメキシコ音楽との比較研究シリーズの第2弾として、ラテン音楽研究家のアルフレッド大山さんに、フォルクローレを中心にコロンビア音楽について、貴重なビデオ映像をまじえて、お話ししていただきます。是非、ご参加下さい。


第027回 (2006/4月) 「サポテカ&ミシュテカ文明〜オアハカ盆地に花開いたもうひとつの文明〜」
土方美雄 (フリーランス・ライター、古代アメリカ学会会員
メキシコの先住民文明というと、マヤ文明か、テオテワカンやアステカ等メキシコ中央高原の文明を、まず思い浮かべる人が多いだろうが、オアハカ盆地では紀元前500年ころからサポテカ人による都市センター、モンテ・アルバンの建設が始まり、その繁栄は西暦1000年ころまで続いた。その後、サポテカ人に替わってこの地を支配したミシュテカ人の文明を含め、オアハカ盆地の古代文明について、概説します。


第026回 (2006/3月) 「フリーダ・カーロが聴き歌った音楽〜メキシコ革命の後に」
上野清士 (ジャーナリスト)
2月の和田さんの発題に引き続き、フリーダ・カーロをテーマに、「南のポリティカ」(ラティーナ)等多数の著書のある作家の上野清士さんをお招きして、上記のようなテーマで、お話ししていただきます。他では聴くことの出来ない、フリーダ・カーロと彼女が生きた時代のメキシコの音楽に関する発題です。是非、ご参加下さい。


第025回 (2006/2月) 「フリーダ・カーロ」
・和田佳浦 (日本ラテンアメリカ協力ネットワーク会員)
フリーダ・カーロの波乱の生涯と、その強烈な個性に満ちた作品群については、先般、ハリウッド資本で映画化された『フリーダ』や、その公開に併せて、日本でも開催された作品展などで、ご存じの方も多いと思います。今回はフリーダ・カーロと彼女の作品に魅せられ、メキシコを旅した和田佳浦さんに、フリーダの魅力について、大いに語っていただきます。


第024回 (2006/1月) 「マヤの宇宙観」
実松克義 (立教大学教授)
実松克義さん(立教大学教授)の「マヤの宇宙観」に決定しました。プロジェクターを使用しての本格的講義になります。是非是非、ご参加下さい。会場はいつもの千代田区和泉橋区民館です。実松さんは宗教人類学がご専門で、「マヤ文明 聖なる時間の書」(現代書林)等々著書多数。最近では「謎の古代アマゾン文明」(講談社)が、大変、話題になっており、売れ行き絶好調と聞いております。


第023回 (2005/12月) 「UNAM(メキシコ国立自治大学)から見るメキシコ」
・宮地隆廣 (同志社大学 言語文化教育研究センター 宮地隆廣研究室)
今回はコラソン・デ・メヒコの宮地隆廣さんに、メキシコがどのような社会で、どのような歴史を持つ国なのかを、UNAMでの実体験をもとに、お話していただく予定です。ご期待下さい。メキシコへの留学を考えられている方も、是非、参加下さい。


第022回 (2005/11月) 「メキシコとお酒を巡る大放談会??」
西村FELIZ (人形作家)、アルフレッド・大山
今回は人形作家である西村正臣さんに再登板していただき、その西村さんのあまりにも「過激」な体験を軸に、メキシコとお酒をめぐって、あれこれ話し合おうかと・・。それだけでは芸がないので、実際にメキシコのお酒や簡単な酒の肴くらいは出して、わいわいがやがや、楽しくやりましょう。持ち込みも大歓迎!!年に一度は、こういう勉強会もあっていいかと・・。


第021回 (2005/10月) 「ユカタン半島でバードウォッチング」
さかぐちとおる (ジャーナリスト)
今回は『地球の歩き方』や、NHKのスペイン語講座テキスト(テレビ版)での連載等でお馴染みのジャーナリストのさかぐちとおるさんに、自ら撮影されたスライドを使って、上記のようなテーマでお話していただきます。ご期待下さい。


第020回 (2005/9月) 「マヤ・アステカの神話・伝承」
土方美雄 (フリーランス・ライター、古代アメリカ学会会員
8月末に新紀元社より『マヤ・アステカの神々』(1800円+税)という本を出した土方が、えーと、そのぅ、一応、その本の内容の内容に即して、お話しようかなぁ・・と考えておりますが、例によって例のごとく、話の内容が大幅に本筋から逸脱する可能性もなきにしもあらずなので、その場合はごめんなさいと、あらかじめ伏線を張っておきます。


第019回 (2005/8月) 「"国境の北"のメキシコ音楽テハーノ(テックス・メックス)」(メキシコ音楽の魅力パート3)
・ 竹村淳 (ラテン音楽評論家)
今回は『ラテン音楽パラダイス』(講談社+α文庫)等の著作や、NHKラジオのラテン&カリブ音楽のDJとしてお馴染みの、日本におけるラテン音楽研究の第一人者である竹村淳さんを特別ゲストにお迎えして、メキシコ音楽の魅力について、大いに語っていただきます。竹村さんはまた、ラテン音楽専門のレコード会社「テイクオフ」のプロジューサーとして、多くのラテン音楽を日本に紹介されてこられました。メキシコの女性シンガー、グァダルーペ・ピネーダを初めて日本に紹介されたのも、竹村さんです。


第018回 (2005/7月) 「中米地峡諸国の音楽と文化」
上野清士(ジャーナリスト)
今回はグァテマラとメキシコに13年間在住され、昨年出された『南のポリティカ〜誇りと抵抗』(ラティーナ)も各方面で話題になっている作家の上野清士さんに、グァテマラを始めベリーゼ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ、パナマといった中米諸国の文化を、「音楽」という切り口を通して大いに語っていただきます。他ではあまり聞けない話です。ご期待下さい。


第017回 (2005/6月) 「大人のための正しいメキシコでの生き残り方」
西村FELIZ (人形作家)
今回はメキシコをテーマにした大変素晴らしい人形を多数製作されており、5月26日(木)〜31日(火)に人形展「CALENDARIO AZTECA〜全てはアステカの暦の下に〜」を渋谷のプロモ・アルテプロジェクトギャラリー(地下鉄表参道駅下車、電話会期中 03-3400-9516)で開かれる西村正臣さんに、メキシコでの様々な体験談をお話いただきます。人形展共々、是非是非、ご参加下さい。


第016回 (2005/5月) 「新大陸の人類・文化の交流をなぞる」
・森和重 (アンデス文明研究会)
今回はメキシコやグァテマラ等で栄えたメソアメリカ文明内の人的・文化的交流や、メソアメリカ文明とアンデス文明の間での交流、さらには植民後の新大陸とアジアの交流(ガレオン貿易)という実に壮大なテーマで、アンデス文明研究会の森和重氏にお話いただきます。メソアメリカとアンデス文明双方に精通された森氏ならではの濃いお話が伺えるものと、大いに期待しております。


第015回 (2005/4月) 「メキシコを目指した人々」
・安藤二葉 (版画家)
今回はあのメキシコ革命を起こした同国のエネルギーについて、安藤さんの発題をもとに話し合います。当時、革命が起きたメキシコにはジョン・リードや、変わったところではD.H.ローレンス、日本人では堀内大學など様々な人々がいました。また、その後、メキシコには欧州のファシズムを逃れた多くの人々が渡り、あのロシアの革命家トロッキーも、その避難所としてメキシコを目指しました。そうした人々を受け入れるメキシコの懐の深さについても、解明できれば…と、発題者の安藤さんはおっしゃっています。また、BGMとして安藤さんご自身が選曲された音楽を流す予定です。どうぞ、お楽しみに。


第014回 (2005/3月) 「メキシコ舞踊をみんなで踊ってみよう」
須藤むつ子、中村陽子 (コラソン・デ・メヒコ)
今回はメキシコ舞踊実践編です。出来るだけステップを踏みやすい服装や靴と、タオルを1枚持って、ご参加下さい。踊りの経験はぜんぜ〜ん、必要なし??


第013回 (2005/2月) 「サパティスタ=メキシコ先住民運動の今」
・太田昌国 (現代企画室)
最近はその動向がマスメディアでも伝えられることが少なくなった、サパティスタの今を現代企画室の太田昌国さんに報告していただきます。ゲバラの話を聞きたいという人も多いけど、この集まりは一応、メキシコ学勉強会ですから…。


第012回 (2005/1月) 「カンシオン・ランチェラとメキシコ音楽タコス+α」(メキシコ音楽の魅力パート2)」
・アルフレッド・大山 (メキシコ音楽研究家)
中南米マガジンより刊行された『トッピング充実!メキシコ音楽タコス』(2000円+税)の主要執筆者のおひとりであるアルフレッド・大山さんにメキシコ音楽の魅力について、大いに語っていただきます。


第011回 (2004/12月) 「比較研究:ペルーの大衆音楽」
水口良樹(ペルー音楽研究)


第010回 (2004/11月) 「メキシコの映画」
・飯島みどり (立教大学教員)
11月の勉強会は立教大の飯島みどりさんの「メキシコの映画」です。乞うご期待。


第009回 (2004/10月) 「メキシコ(他)料理教室」
・和田佳浦、 土方美雄 水口良樹、etc


第008回 (2004/9月) 「養豚からみる日本とメキシコ」
・三宅愛子 (中南米マガジン)
養豚とは何か?に始まり、日本とメキシコを含めた世界の養豚事情やその問題点をレポート。日本とメキシコのFTAの問題にも触れます。乞うご期待。


第007回 (2004/8月) 「メキシコを深く知るための基本文献案内」
・山本和彦 (ラテンアメリカクラブ会員)
自著『ラテンアメリカの書棚から』から、メキシコに関する文献をピックアップして紹介する。特に植民地時代史について、詳説。時間があればスライドの上映も…。


第006回 (2004/7月) 「メキシコ現代史(ファレス以降)」
金安 顕一 (中南米マガジン発行人)


第005回 (2004/6月) 「メキシコの民俗舞踊」
さかぐちとおる(ジャーナリスト)
ご自身の写真展で使用した多数の写真パネルと音楽を交えての、楽しいお話となります。是非是非、ご参加下さい。


第004回 (2004/5月) 「メキシコ古代史の再検討 プロローグ」
土方美雄 (フリーランス・ライター、古代アメリカ学会会員
『マヤ終焉』(新評論)『写真でわかる謎への旅/メキシコ マヤ&アステカ』(雷鳥社)といった本も書いてま〜す。また、たぶん7月ころに『ミステリー&ファンタジーツアー/中米』(新紀元社)を上梓予定。古代史&遺跡話です。ご興味のおありになる方は、是非、どうぞ。


第003回 (2004/4月) 「メキシコ語学短期留学体験記」
・海老原美香 (日本ラテンアメリカ協力ネットワーク会員)


第002回 (2004/3月) 「サパティスタ等メキシコ先住民運動の現在」
・和田佳浦 (メキシコ学勉強会発起人)


第001回 (2004/2月) 「メキシコのポピュラー音楽の歴史と現在(バンダ音楽編)」(メキシコ音楽の魅力パート1)
上野清士  (ジャーナリスト)

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